おつとめ。

「まるで“ おつとめ ”に行くみたいじゃないか」

先輩はやれやれといった表情を浮かべる。

「確かに東京に行って、今みたいには会えなくなるけどさ。時々帰ってくるし、来てもらってもいいしね。だから、そんな悲しい顔するなよ」

「でも」

僕は思いの丈をぶつける。

「でも、それじゃあ社会に服役してるのと、何ら変わりがないですよ」

「大人になったんだよ」

先輩は自嘲するように笑った。

「お前はまだ走ることをやめるなよ。まだ、走ることができるんだから」

うるさ。僕は少し飲みすぎたのでトイレにいき、酒を戻した。しかし今日の先輩は、悪いけどこの吐瀉みたいだ。

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