守護霊。

タッチランプが唐突に付くようになった。例えば、僕がリビングで観たくもないテレビ番組をだらだら眺めるくらい時間を無駄にしていると、部屋のタッチランプが光る。僕が現実から目を背けるためにジャージ姿で散歩をして帰ってくると、部屋のタッチランプが光る。それは、ちょっとした奇妙な出来事だ。もしかしたら僕の部屋に胡乱なものが潜んでいて、僕を拐かそうとしているのではないか。そう思えば思うほど、タッチランプが奇妙なものであるような気がして、僕はついにコンセントを抜いた。そうすることが必要だった。

しかし、タッチランプは明かりをつけた。この時はさすがに腰を抜かしたよ。けれど、僕はこう自分を説得した。僕の守護霊がタッチランプに入り込んで、明かりなるもので照らしているんだ、と。そうしないとろくに眠れなかった。

もうわかっていると思うけど、コンセントの勘違いに過ぎなかった。つまり、そういう超常的なことは起きなかった。しかし、それで触らざるタッチランプの点灯が解決した訳では無い。だから僕は、守護霊が触ってつけていると思うことにした。そういうところ、僕は都合がいいのかもしれない。

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