3つ目の瞳。

私のうなじには、3つ目の瞳がある。普段は長い髪で隠しているから、誰にも知られていない私だけの秘密。

3つ目の瞳は、顔の前にぶら下がっているそれよりもずっと遠くまでを、毛穴の汚れが分かるくらいまでくっきりと望むことができる。光の形だって、磁気の波だって、形あるものなら何だって見る事ができる。それは、ある意味で私を苦しめる瞳でもある。うなじにあるから、背けることができない。

しかし、今の私の髪型はポニーテール。私は瞳を解放したのだ。それは、あなたを見失わないために。お互いに背を向けても、私はあなたのどこまでもをいつまでも見ている。うなじの瞳は瞬きをしないから、あなたはまだ私の瞳の中にいる。

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