脱皮。

ひどい日焼けで、随分皮が剥けてしまった。ほこりのような縮れを摘むと、皮がめくれる。動物園でみた、蛇の脱皮にどこか似ている。

真夏の陽射しによって、俺の皮は死んでしまった様だ。俺は、自分を粗末に扱ってしまったような気がして、どうにも嫌だった。相応しい弔いがあってしかるべきだと感じた。俺は、日本酒の空瓶に破れた皮をつめることにした。
 
脱皮には時間がかかった。全ての皮を丁寧に保管することは、大変だった。何度も掻きむしってしまいたいと思った。しかし、一度決めたことは曲げたくない。俺は死んだ皮に常に苛まされていた。 

朝目を覚ますと、マットには死片が散らばっていた。俺はやはり、自分を粗末に扱ってしまう人間なのかと哀しくなった。

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