パラサイトロンリー。
お前のような人がいた。これで5人目だ。いや、5番目という方が正確かもしれない。俺はお前を追い求めすぎているのだろうか。お前のような人を、お前の面影を孕んでいる人を目撃すると、視線を、そして身体への信号をハッキングされてしまう。磁石のN極とS極のように、俺は5番目の背中に引き寄せられる。
「お姉さん、お姉さん」
お前に似ている人だと、俺は強気になる。俺は前提たりうるお前との物語を拝借し、距離感を詰めることが出来る。お前に似ている人は、距離感を詰められると弱い。まったく、いつからこんなチューイングガムのようの徒労に従事するようになったのだろうか。
今夜俺は、お前に似ている人を、この5番目の女を抱くだろう。しかし、それにいったい何の意味があるのだろう。いや、そもそも意味なんてものはなかったのかもしれない。俺にとっても、お前にとっても、そしてお前に似ている人にとっても。