顔面分解。

痒くて痒くて堪らない眼球を取り出した。水で汚れを洗い落とし、布で水気を拭き取る。最近は専ら、眼球洗いに勤しんでいる。どこか調子が悪いような気がしてならない。

やがて、鼻がうず痒くなりたまらず取り出す。丹寧に水で洗う。そうしていると、耳も口も、何処も彼処も洗ってしまいたい気分になる。僕はたまらず顔を分解して、隅々まで洗い尽くした。

全てのパーツを洗い終えた時、僕は自分がロボットであることを悟った。もう一度顔を組み立てる気にもなれず、僕は自らの意思で電源を落とした。



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