ダーティーでフラクタル。

僕の口からは冷酷な言葉が出る。僕の口から離れ落ちた言葉は、僕が考えもつかないくらい酷い意味を付帯していた。そのことに僕はいささか驚いた。僕がまさか深層心理的にそのようなことを考えていたとは思えない。もしかしたら、言葉の方が僕の口を選んだのかもしれない。

しかし、周囲の女性は僕の言葉に反駁することはなく、むしろ自然と受け入れていた。こんなに鋭利な言葉が僕の口から漏れだしたことに、僕自身は動揺しているというのに、彼女らの目は心なしか垂れてさえ見える。主観と客観を一致させることはやはり難しい。

どうも、女性というのは言語的にマゾヒストな部分が必ずあるみたいだ。心外だけど、僕はそのつぼを簡単に見つけることもできた。濫用。それだけは避けたかったが、快楽を前にすると人は靴底の蟻のように無力だ。

僕は望まない形で、女性の扱い方が分かるようになった。つぼに、言葉のナイフを伝わせる。それは僕にとってフラクタルで、最大公約数的な気持ちしか抱けない。そういうのって、ない方がましだ。


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