競人。

馬の世界では、ある競技が社会現象的人気を誇っている。

「今度のレース、君は誰に賭けるんだい」

「僕は、3番だね。なんたって血統がピカイチだ」

「なるほど、血統は確かに面白いね。僕は5番にしたよ」

「僕も5番と迷ったよ。前回の競技は素晴らしかったものね」

「それに、騎馬も絶好調だからね。相性もピカイチだ」

「しかし、本当に競人は大発明だね。今まで家畜だった人を、闘わせ合うだなんて。二足歩行者の喧嘩は、見てて面白いからなあ」

「最近だと、闇賭博もすごい売れ行きだってね」

「どうせなら、公に主催して、そこから税収を取ればいいのにな」

「なるほど、それは名案だね。今度提案してみよう」

かくして、馬の世界では競人が新たな税収として定着し、さらに繁栄したらしい。

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