夢、二次元、三次元。
「ねぇ、貴方の夢って二次元かしら?」
「急にどうしたんだい。」
僕は彼女の髪を撫でながら、相槌を打つ。彼女は時々異国情緒的な科白を吐く。知らない国の、それほど有名でない映画に出てくる女優みたいだ。
「夢って、普通は映画みたいなものだと思うの。そこまでクリアじゃない映像がだらだらと流れるものでしょう?違う?」
「そういう時もあるし、僕が主眼となる時もあるよ。むしろそういうことの方が多い気がするな。」
「つまり、夢であっても貴方は貴方以上でもそれ以下でもないってことかしら。」
「そういうことになるんじゃないかな。」
「そういうのって可哀想ね。」
「どういうこと?」
「理解出来ないことが、貴方の夢がさもしい理由なのよ。」
彼女は僕にその美しい背中を向けた。僕は彼女の背筋を指でなぞり、ひとつ溜息をついた。また、同じ夢みたいだ。