新種の女。

海の見えるテラスでソフトクリームを頬張っている女性がいた。彼女を系統立てることは難しい。顔面認識のキャパシティを迎えてしまった僕は、新しく出会う女性の顔を自分の範疇から類推して判断するようになっていった。君は○○に似ている、君は△△に似ているetc…。

そうであるはずなのに!僕は彼女を系統立てることはできなかった。ついに相見えた新種の女。僕は、新種の女に出会うことを待望していたのだ。(言わずもがな、僕の偏狭な人生で、上手くいった試しがないから。)

しかし、僕は茫然自失とするだけで、彼女に声をかけることが出来なかった。人間、理想を追い求めてすぎて動くことをやめてしまうと、いざという時に動けなくなってしまうものだ。


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