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unsuits。

スーツを羽織ると、肩が金縛りにあってしまったかのように凝る。自分にはスーツは重すぎる。何が自分に合っているかは分からない。僕はまだまだ大人にはなりきれていないみたいだ。


たまたま酒場で旧友と鉢合わせた。彼はスーツを纏わなくても、自身に満ちあふれていた。

「なぁ、考え方から変えようぜ。カタログの中から選び取るような構造の問題なんだ。君は自分の意志で、選ばなくちゃあならなかったんじゃないのかい?」

「…そうは言っても。僕は自分がどうしたいかすらも分からないんだ。」

「それなら旅行でもしてくればいいじゃないか。君はどうしてスーツにそこまで固執するのかい?」

社会にぴったりと自分の居場所を見つけた彼がラフな格好であり、歪な形をした僕がスーツを着ているこの状況は皮肉だと思った。しかし、スーツを脱ぐことは出来なかった。僕はスーツを着ることで、自分が大人であり社会の一員であることを確かめたいだけなのだ。

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