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【家賃からの解放】 解放のキッカケ

ーー ”家賃からの解放” に書いてあることは「誰でもできる」ことなの?
ーー カキの人だからこその特殊能力、特殊技能的なことじゃないの?

前回は計らずも、住民票の話題に飛んでしまい…

それはそれで僕なりに価値あるものだと思うから書いたとはいえ、それは「家賃からの解放」において、最大のポイントである「誰でもできるのか?」の解答にはなっていない

そもそもの発端を僕なりに思い返してみた

すべての始まりは2008年の離婚、ここに端を発する

小伝馬町のマンスリーマンションから、ホテル住まい、住み込み、転がり込み、などなど、いろんなカタチで、日々を生き延びていたが、

「この部屋、使ってていいよ」だとか
「ここに住んでてもらえないか」だとか

そういった直接的なわかりやすい「家賃からの解放」に至った、そのキッカケはなんだったかな、と

思えば、最初は、やはり牡蠣の仕事で漁師町に行ったときかもしれない

それだと「カキの人」の特殊技能、僕にしかできないことになってしまうのかもしれないけれども、とりあえずカキだしてから考えてみようかと

ーー とりあえず、この家を使ってて。 誰か来たら「掃除してる」って答えてくれたらいいから


そもそもカキのつくり方を教える、とはいえ、まずはその海域の調査とか視察とか、なにより一緒に作業とかを手伝いながら、新しい養殖方法が可能かどうか

その海域や生産者にベストマッチな方法を模索したり、新たに生み出したり

要するに時間がかかる
「ウルルン滞在記」することになる

旅館とかホテルとか、少し車を走らせれば、あるけれども、長期に仕事として、つまりは「経費」が発生するとなると、その滞在費ってのはバカにならない

作業に行くのも、なにをするのも、その生産者さんや漁師さんと近い方がいいし

言語云々を超えた関係が必要というか、なんというかな、海の現場において、なにより「寝食をともにする」っていう

同じ釜のメシをくえ!

といった流れで、その生産者が案内してくれたのが、その生産者が住んでいる家の、その隣にある豪邸

親父さんが住んでいたそうで、数年前に亡くなってからは使ってないのだとか

お母様は、その隣の、その長男である生産者さんの新しく建てた家に

新しく建てた家の方が、バリアフリーだとか、風呂にキッチンに、ソーラー発電に

設備が充実してて、豪邸とはいえ古い家よりも住みやすいっていうことらしく

その路地というか、その私道には、そもそもがその親戚さんしか住んでなくて、そのメインの親父さんの豪邸を一番奥に、長男さん、次男さん、おじさん、おばさんなどが軒を連ねている

そんな家族だらけの敷地の奥にある家、しかもデカい、が売れもせず、借り手もつかず、

にも関わらず「相続税」だけは、その実態を無視した評価額で査定され、請求される

その相続をどうするか保留?になったまま、管理だけは続けているという

相続できないから、と所有権を放棄して、完全に空き家になってしまうと、雑草や崩壊だけでなく、不法侵入や、鹿や狸、猿、ときに熊などの猛獣が棲みついて

人類と動物との境界が曖昧になるなどの問題が起きる

ただでさえ買い手も借り手もつかないのに、せっかくの資産が手をこまねいて崩壊していくのは、相続税を徴収したい税務署としても本意ではない

そこで「管理権」というものがちゃんと法律で設定されている

相続はしないが「管理」要するに「掃除」はしてもいいというもの

公に賃貸や売買はできないなれど「掃除している」といえば、まぁ、使っていても、あまりに目だったり、大騒ぎしない限りは、いちいち監視したり確認しに来たりはしない

そんなことしてたら経費もバカにならないし、そのどうなるかわからない相続税を経費が超えてしまったら、なんのことだかわからん、というのが税務署にも暗黙であるんだとおもわれ

その税務署の職員さんも、幼馴染だったり、知り合いだったり…

なにより、実質的な所有者たる、その長男生産者さんも、もし金にできるなら…って思いも少なからずあるのだろう

いつか、長男生産者さんの息子さんが結婚して、その豪邸を建て直すなり、リフォームするなり

とはいえ、いまの漁師町あるあるなんだけども、その長男生産者さんの長男さんは、街にでて仕事してる、みたいなことで

コロナ禍とかいろいろありますしね、そうやって都会で生き延びるのも大変だとして、Uターンしてくることもある

とにかく、いまは相続税の関係もあり、そのあたりは曖昧にしておきたい思いはよくわかり

建物もまだまだ使えるけれども、海風とか、人が住んでないと、あっという間に風化してしまうから、そのあたり不思議なもんで

僕が住むっていうんで、久しぶりに草刈りだとか、風通しだとか、そういった掃除をしてくれたり

僕もなんだかんだで、住んでるわけだから、当然、窓を開けて風通ししたり

ホント不思議なもんで、一週間もすると、荒れてたはずの家に「生気」が戻ってくるもんなんですよね

そんなある日、知らないおばあちゃんが、野菜をいっぱい携えて呼び鈴を押している

なんだろう、と思って出ていくと、笑顔で会釈され「掃除してます」と答えようとしたら、食い気味に遮られ

「知ってる、うちもお願いしたくて来たのよ」

どうやら、そういった情報が拡まるのは早いらしい

どこかからきたヤツが、○○さんの家に住み込んでるらしい、と

そのおばあちゃんは、長男生産者さんのお母様のご友人で

そんなに遠いとこでもないし、そういうことを頼まれた、と報告したら「悪いけどお願いできないか?」と

まぁ、そういうことなら…お野菜だけでなくお酒とかいろいろ…そもそも食事は、長男生産者さんの家でたっぷりといただいていたのですがね

たっぷりもたっぷり、漁師町だけに新鮮な、それこそ新鮮すぎる海の幸をこれでもか!と食べさせてくれる

これがですね…

「角が立ってるだろ?本当に新鮮なサカナはコリコリしてんだ」

「東京で柔らかくなった魚を食べたけど、ありゃなんだ?もったいない」

ええっと…新鮮すぎると、どの魚も同じ食感、同じ味…なんですがね…

それぞれの魚の持ち味…まさに持ち味がでるように、それぞれ「熟れさせてる」のが東京の鮨屋さんや和食屋さんの…それこそが…まさに持ち味なのかと…

そんなことね、現場では口が裂けても言いませんよ

さてさて、そうこうしてるうちに、なんと、そうやって「掃除させていただく物件」が…七軒になってしまったんです

仮にですよ、仮に一軒、1週間ずつ泊まり歩いたとしても、それだけで2ヶ月かかってしまう

ウルルン滞在記は終わってしまいますよ

たいていがその相続だとかの問題でしたけど、それこそ、お子さんたちがUターンしてきたときのために、だとか

出戻りのおばさまのために一軒建てたのだけど、そのおばさまが急に亡くなってしまい、新しいまま空き家にってパターンもありました

そこで自殺したんではないってことを、やたらと強調されたのは、今となってはもうね、ご愛嬌っていうんですかね…

ちょうど牡蠣の生産者になりたいっていう弟子が、当時は2人ほどいたので、その2人を、その長男生産者さんに送り込むとともに、その物件の管理も引き継いで

僕は次の産地へ旅立ち…これが「この家、使っていいよ」の発端、ザ・ビギニングといえましょう

そうやっているうちに、関わっている生産者さんたちの素晴らしい牡蠣が出来てきたりして

牡蠣はやっぱり食べてナンボ

そこで東京と大阪でイベントを開祭するようになった

平日は、生産者のところで作業して、金曜の夜の夜行バスで東京に

で、週末にイベントをやって、また日曜日の夜に夜行バスで、また生産者のところへ

自然の流れでそんなローテーションになりまして

そのイベントをするのも、たまたまなんですけど、僕の牡蠣のプロジェクトを応援してくれていた…

そうそう、僕の牡蠣のプロジェクトは「世界一うまい牡蠣をつくろう!プロジェクト」と言いまして、クラウドファンディングを実施

そこで、支援金だけでなく、おかげさまでたくさんの支援者を得ることができていたんです

その支援者さんのひとりが「週末ならうちの店、使ってもいいよ」と

そのお店はいまはもう売却されて、別のオーナーになってしまっているんですけど、あの霞ヶ関ビルの一階の飲食店街にありまして

平日はランチを中心にたくさんお客さんで賑わうのだけど、週末、つまり土日は人がいない

だから、週末にイベントやるなら、使ってほしい

もし、お金になるようなら、レンタル費とかまた相談ってことで、と

おかげさまで、そこでのイベントもだんだんと人気を博すようになり

土曜の朝に夜行バスでついて、そのまんまイベントやって、片付けてたら、もう夜中…そのまま次の日のイベントの準備もあるし…と

最初は、近くのカプセルホテルとか、そういうのを予約してたんですけどね、人気を博すようになると、昼の部と夜の部とかになり

赤坂にちょうどいい広いお風呂とサウナが、日帰りで24時間使えたりとかあったりなんかしたんで、土曜の夜はそこで仮眠をとって、そのままイベントみたいな

そうこうしてるうちに「週末だけならうちも使ってよ」と言う声をかけてもらえるようになった

都内は、特に霞ヶ関や赤坂とか新橋あたりは、週末は人がいない

そういった週末需要が意外とあった

店によっては、ちゃんと寝れる部屋があったりとか

そうやってイベントをやってるときに、来てくださったお客さんと、イベント後に呑みに誘われて

たまたま不動産関係の人で、話の流れで「どこに住んでるの?」と

それで平日は生産者のところで、週末はイベントで、家はないんです、なんて話をしたり

不動産関係の人だもんで、やはり不動産に詳しくて、その漁師町での「掃除屋」の話なんかにもなって

そこで、もししばらく東京にいることになるなら、連絡して欲しいって、冗談まじりで「東京にも掃除して欲しい物件がある」みたいなことを

それで本当に連絡したら…この「家賃からの解放」で語っているところの「相続」だとか「行方不明」だとか、そういう問題を抱えた物件だとか

そういう体験を牡蠣のイベントで語っていたら「立ち退き案件」とか「売れるまで住んでて案件」だとか

これもそれぞれまた別にカキますけれども「1日千円でも二千円でももらえるならありがたいけど」みたいなカタチで依頼される

立ち退き案件ってのは、その土地の地主さんからの依頼になるわけなんですけど、その敷地を更地にして、大きなマンションにしたい

でも、まだ以前に建てたアパートに住人がいる、その住人が引っ越すまで、取り壊しできない

ほかに敷地に息子のために建てた一軒家があるんだけど、いま誰も使ってなくて

それは、平和島ってところで、大森駅にも歩けて、なかなか便利な都心の一等地な住宅地なんですけれども

駐車場まで付いてて。どうせ取り壊すし、好きにしていいよ、と

そこで牡蠣イベントもさせてもらったりしつつ、本当に無茶苦茶に…騒音はダメでした、すんませんでした、その節は

その代わり、アパートの立ち退きが決まったら即日出て行かないといけないとか

売れるまで案件は、たとえば中目黒沿いの古いマンションの一室なんですけど、そこに住んでた女性社長さんが、それなりに儲かったので、もっといいマンションに引っ越したそうで

ネイルサロンとか経営されてるので、そこもサロンにしようかと思ったり、売ろうか、とか悩んでいる

サロンにするにはリフォームも必要だし、とか

その間、住んでてもいいですよ、と言ってくれましてね

目黒川沿いで、それこそ目黒川の桜が観れる、本当に便利な絶好のロケーションでした

「家がない」からはじまり
「牡蠣行脚」からの
「掃除屋」そして
「何も聞かず住んでくれる人」へ


いまも、多拠点移住型の学校を創設したいというのと、その拠点としても、環境デザインとしても、空き家とか古民家を活用したい、というのがあって

全国を廻ってるワケなんですけれども、久しぶりにワクチンを打つんで、東京に来たら、おかげさまで

「ここ、住めない?」と言っていただけて、その候補の4軒ほどを泊まってまわってるうちに、無事にワクチン接種も終えて、また全国移住の旅へ

相続とか、行方不明とかね、そういう案件、物件は法整備とか安全体制とか、いろいろ問題ありますけれども

いま視察も兼ねて移住させてもらってる、地方の空き家とか古民家とかを活用している物件は、ちゃんと公に住むことができるようになってます

10拠点以上を保有して、マンスリーマンションのように住むために必要な家具とか、必要なとのは備え付けで

泊まり放題住み放題、いま流行りのサブスク、スポーツクラブみたいに月会費制で会員になれば、その月会費だけで施設を予約して利用できる仕組みなど

月会費を払うので、それはもう「家賃やろ?」と

たしかにその通りなんですけどね、僕が培ってきた、そのもったいないリソースを、もっと有効利用できないかな、って

実際に地方に移住すると、助成金などで数年は家賃がかからなかったりする仕組みもあり

そのあたりのことはまた次の章で語るってことで、今日はこのあたりで〆させてください

立ち退き案件、売れるまで案件、サブスク案件、助成金案件…家賃からの解放、まだまだ描けることありますね

この「家賃からの解放」は連載してましてマガジンもつくりました。すでにいくつか記事を公貝…もとい公開しています☟

例えばこの記事と関係するこちらとか☟

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それではまた次の章でお逢いしませう

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