マガジンのカバー画像

創作小説

24
物語がはじまる!
運営しているクリエイター

#チョコレート

小説 母とチョコレートの苦い思い出

小説 母とチョコレートの苦い思い出

 チョコレートから目をそらした私は、母にこの存在を気づかれてはいけないと思った。
「やっぱり買わんくていいわ」
 私はそう言って、その場からすぐ立ち去ることを決めた。
「本当に良いん?俊先生、チョコ貰ったら喜ぶんやない?」
 お母さんはそう言うが元々私はチョコなんて渡したくなかった。家庭教師の大学生にひねくれた小4の私がバレンタインのチョコを渡してもお返しを面倒がられるだけだと思っていた。母の言葉

もっとみる