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あたらしい生活、はじまりました。

姫路に実際に暮らし始めて、やっといくつかのことがわかりはじめています。
たとえば、街路樹としても、民家の軒先にも、よくさるすべりの木が植わっていること。さわさわとしたピンクや白の花が、熱風に揺られてほのほのと花を散らしています。
たとえば、少しおせっかいで、やさしい人が多いこと。どんちゃんを連れて歩けば、たくさんの人が「かわいいね、」「何か月?」「よく笑う子やねぇ」と声をかけてくれます。
たとえば、たとえば……。
そんな小さな新しい生活のピースが少しずつそろって、ゆっくりと生活の形が出来上がってきたところで、また細々と記録をしていきたいと思うようになりました。

これもそれも、そう、どんちゃんのおかげです。
どんちゃんが生まれて、早6か月。
毎日毎日感動をもらって、喜びを受け取って、そしてあまりにも早い成長に、胸がじーんと寂しさで震えるよう。
きちんと見たり聞いたり感じたことを、ひとつひとつは小さなことでも、とりこぼしたままにしてはいけないような気がして、たくさん写真を撮って、書き残しておきたいと思っています。

とはいえ、これはだれに読ませるでもない日常的な記録ですので、忙しさにかまけて書かなくなってしまうことも十二分にありえます。
そうなったら、そうなったで、ああがんばっているのだな、と思ってもらえたらうれしいです。

私たちは9月1日、姫路市に引っ越してきました。
まだ、法人の事務作業を残したままではありますが、一気に肩の荷を下ろし、4年ぶりの「人間らしい暮らし」を取り戻しています。

4年間の事業は、「良い思い出だった!」とさっぱりと語れるほど美しく終えることはできませんでした。ちょっとがんばりすぎたこともあって、なんだか思い出すとちょっと気分が悪くなったり、ドキドキしたり。頭のどこかが傷ついてしまったような感じです。
ゆっくりと寝て起きて食べて遊んで、その中で少しずつかさぶたになってはがれて、時間がかかるかもしれないけれど、心から「良かった」と思える日をじーっと待っているところです。

最後の最後で、事業を売却して得たちょっとのお金を種火にして、またここで自分たちで事業をつくっていくつもりです。
とはいえ、もう人を雇って必死になってお給料を払うために神経をすり減らすのはふたりにとって向いていないとはっきりとわかったので、同じことはしないつもり。
もっと、家族3人が一緒にプレッシャーなく笑顔で過ごして、夜は良い一日だったね、と眠れるような生活を目指しています。
勤めない暮らしは安定せず、それはそれで大変だとわかっています。
ですが、自分たちが人生で生きたいように生きるには、不安定でも挑戦するしかありません。

最近のかつしくんとわたしは、何者にもなっていない、さなぎのよう。
無力のようでいて、どんな存在にもこれからなっていけるとまだ信じています。
世間一般的にもうすぐ41歳の夫と、35歳で赤子を抱えた妻で、ふたりとも無職で、なんの縁もない場所で……なんて、本当に非常識というか、呆れられちゃうと思うんだけど。
きっと大丈夫だと思うのは、かつしくんとわたしが文字通りいつも手を取り合って生きているからでしょうか。
そして、おなかが満たされて、おとうとおかあがいれば、いつだって大口を開けて笑ってくれるどんちゃんがいるからでしょうか。
もうこんなにもしあわせなんだから、あとは暮らしていくだけです。

両家の両親には、せっかく孫が産まれたのに縁も無いところにすっとんでいってしまったことを申し訳なく思っています。
写真や動画をいっぱいシェアしていくつもりですが、もしどんちゃんだけでなく「あの子たちちゃんとやれてるの?」と思ったらときどき覗いてみてください。(かつ、更新されていたらラッキーくらいに思ってください。)

どんちゃんの細かな成長や、暮らしぶりをほそぼそと書き続けることで、いつか巨大な人生のパズルになるように。
そんな気持ちでいます。

今日はこのへんで。おやすみなさい、また明日。

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