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人気恋愛番組からみる価値の変容

テラスハウスはトレンディ、あいのりはダサい、というイメージがあります。テラスハウスは今の若年層〜中年層まで幅広く支持されており、出演者は総じてそこそこの有名人になっていきます。

もちろん昔からあいのりは観ていたし、感動させてもらった場面は多いのだけど、最近のはちょっとな、と思ってしまいます。2つとも恋愛リアリティショーなのに何がそんなに違うんだっけ?とふと疑問に思ったわけです。

演出だけが支持される理由ではない

映像のトンマナ、カメラワーク、音楽、出ているタレントのルックスは全てにおいてテラスハウスの方が上。でも、テラスハウスが“今時“で“イケてる”と決定づける理由にはまだ何か足りない。

そもそも同じ恋愛番組という土俵で比較できるのでしょうか?あいのりは恋愛番組ですが、テラスハウスはよりマクロなテーマを持っていることに気づきました。

今の若者が見たいモノ

テラスハウスには、恋愛を目的として入ってこないメンバーや恋愛的な絡みを一切せずに去っていくメンバーがいますよね。実はテラスハウスは恋愛が必須というわけでは決してなく、成長の機会の場として存在しているのです。

コミュニケーションが苦手な人が共同生活をできるようになり、料理を一度もやったことがない人がみんなに料理を振る舞えるようになり、とんでもなく自己中な生き方をしてきた人が周りに配慮できるようになり、ゲイの子がカミングアウトしたように、人間の成長というものをテラスハウスを通じて見ることができます。

他人の人生を垣間見ながら、彼らが恋愛の有無に関わらず成長していく姿を見ていくことが、番組の面白みをより助長させてくれます。彼らの成長の過程を自分自身に重ねて見ている人も多いのではないでしょうか。

また、メンバーのバックグラウンドが多様というのも魅力です。モデル、ダンサー、サーファー、スケートボード、バスケ、歌手など、比較的マイナージャンルのタレントを起用しており、毎回メンバーが入れ替わるごとに異なる世界観を知ることができます。

日本人は困難に立ち向かっている人を応援しがちな民族なので(強い人より弱い人を応援したくなる下克上心理)、一般人ではないけれど有名人でもない、微妙な線のキャスティングがかなり味を出していると思います。

人との付き合い方やコミュニケーションの取り方が目紛しく変化するこの時代を生きる今の世代には、単純な恋愛番組はもう刺さらないかもしれません。

どんべい


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