新しい世界の、3つの需要
人々の生活はあっという間に大きく変わってしまった。
人間は行動を制限し、経済は停止した。
そして、人々が描いていた未来は、すべて白紙になった。
もう元の世界に戻ることはできない。
我々は、新しい世界で生きていかなくてはならない。
一方で、新しい需要も生まれ始めている。
新しい世界のキーワードは、ヘルス、ワーク、ライフスタイルである。
事態の終息はいまだ見えないが、需要としては今後数年続くと考えられる。
キーワード①ヘルス
需要:除菌・衛生関連グッズ
1つ目のキーワードがヘルスである。
個人ができる対策として、最も需要が高まっているのが、アルコール消毒や紫外線照射などによる除菌グッズである。
これからは、個人での衛生対策が必須になり、携帯性の高い商品も増えていくだろう。
また、アパレルメーカーなどの異業種もマスクの生産に乗り出している。
これは、緊急時での対応ではあるが、需要は継続すると見られ、しばらくは定番的な取扱いになる可能性も高い。
この記事では、マスクをした状態でのメイクの方法を伝えている。
このように新しい世界では、今まで以上に衛生管理の関心が高まっていくだろう。
今は供給が安定せず、まだまだ数が足りない状況だが、圧倒的に衛生用品への関心が高まった新しい世界では、必須の商品群になるだろう。
キーワード②ワーク
需要:テレワーク・デスク周り関連グッズ
2つ目のキーワードは、ワークである。
新しい世界では、人々の働き方も大きく変化する。
満員電車による通勤や、オフィスでの密集の意義が問われ始めている。
緩やかにシフトしようとしていた働き方改革が、半ば強制的にテレワークへ移行することになった。
突如としてスタートしたテレワークで、まず需要が発生するのが、マイク付きイヤホンやWEBカメラなどのオンライン会議対応商品である。
加えてPCアクセサリ関連も、これを機に見直すきっかけになるだろう。
また、自分のデスク周りを彩る欲求も高まってくると考えられる。
お気に入りのステーショナリーや、マグカップやコーヒーミルなどのカフェグッズへの需要も高まってくる。
テレワークが進むことにより、仕事環境の整備に関心が向かうことが予想される。
とはいえ、テレワークが難しい仕事もある。このあたりのニーズは、業種や地域での差があるかもしれない。
キーワード③ライフスタイル
需要:インテリア・家食・家娯楽
今後、自宅で過ごす時間が圧倒的に増えることにより、「家」に注目が集まるようになる。
家の中でのニーズは、インテリアなどの居住空間に対する需要と、家での食事や娯楽に対する需要とで、大きく2つに分類される。
言い換えれば、家での空間・時間が関心の対象になってくる。
インテリアについて、期待される効果は、気分を変えることである。
クッションやソファーのファブリックを変えるだけでも、気持ちは変化する。
閉塞感を軽減するためのアイテムとして、インテリアは存在感を増してくる。
また、家での食事や娯楽にも変化が表れる。
在宅時間の増加により、家での料理やデリバリーが増えていく。
調理家電やキッチンツール、食器等の食卓グッズの需要は増加する可能性が高い。
娯楽についても、スピーカーやモニターなど、動画コンテンツやゲームの視聴環境のグレードアップ需要など、より娯楽を楽しむためのグッズに注目が集まる。
家の娯楽は、これからまだまだ新しい楽しみ方が生まれていくだろう。
求められるのは、顧客へのメッセージ
新しい需要に対しては、顧客へのメッセージをわかりやすく伝えることが重要である。
新しく生まれた需要に対する顧客の理解は一定でない場合が多い。
特に、なぜ店舗はこの商品を販売するのか、この商品を使うとどうなるのか、を明確に伝えることが、店舗から顧客に対するメッセージとなる。
外出自粛が進む中、緊急事態宣言により、多くの商業施設が休業に入った。
小売の環境も大きく変わろうとしている。
その中で、新たな需要を見つけ出し、顧客の需要に応えていくことが、小売の役割のひとつであると考えている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?