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トリコロールな愛、どんな愛?

 今年は夏からスポーツが熱い!水泳に始まり、陸上、球技とテレビに噛り付いている。今はフランスでラグビーのワールドカップが開催中、来年のオリンピックはパリ(フランス)テレビやネットでトリコロールを毎日のように目にします。
赤・白・青 そういえばそんな映画あったよなぁってことで1993年~1994年に公開された作品を紹介したいと思います。

 トリコロール3部作はマラン・カルミッツ制作、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の映画
フランスの国旗が意味する 青=自由・白=平等・赤=博愛 を元に作品が作られているがそのことを前面に押し出している感じではない

・トリコロール青の愛 1993年公開

 主演はジュリエット・ビノッシュ(当時29歳) 話は、一流音楽家の夫と娘を自動車事故で亡くしショックを受けた女性が最後には自由を見つけて新しい愛に生きて行く
 音楽家だった夫はEU統合に向けた曲を作成中に事故に合った。未完成だったのだが、ジャーナリストにジュリー(J.B)が作曲していたのではないかと疑われる。夫のパートナーであった友人オリビエに書類整理などを任せ郊外に逃げるジュリー、好意を持たれていたオリビエと深い仲になっていたが一時の心の迷いと言いきかせる。そんなときに目の前に夫の愛人だったという女性が大きなお腹を抱えて訪ねてくる。色々思うところはあるがそこはフランス映画、結構ドライに仕上がっている。ジュリーは落ち着いて曲を完成させ、夫との絆を整理整頓しオリビエの元へ

 この映画の評価をその時のノートに“★★”を記していた私。結構低めだったことが今回発覚。ただジュリエット・ビノッシュの演技は格好よかったことは覚えている。で、記憶が正しければこの映画の後に子供を持とうと思ったと彼女が言っていた。

・トリコロール白の愛 1994年公開

 主演はジュリー・デルピー(当時25歳)青の愛と違って重くなくウフフ、アハハな感じで白の愛を彩っている。ポーランド人の夫カルロと離婚訴訟中のフランス人妻ドミニク(J・D)離婚の理由がセックスレス。体一つで追い出されたカルロはポーランドに帰るにも帰れない。路頭に迷っていると同郷の友人が助け舟を出し、スーツケースにいれてポーランドへ送る。無事?帰国して働くも長続きせず、土地ころがしのような危ない仕事をして、金を手にいれたカルロはある考えが浮かぶ。それは、自分の葬儀を偽装すること。墓の前で泣き崩れるドミニクを遠目で見て、自分はまだ愛されていることを確信するカルロ。結末はハッピーエンドの予感。

 ジュリーの愛らしい容姿と武骨なズビグニエフの雰囲気が相対的で面白ささえ覚えたが、ヨーロッパではよく見るカップルで多国籍な感じを出していて良かった。

・トリコロール・赤の愛 1994年公開

 主演はイレーヌ・ジャコブ(当時28歳)学生でモデルをしているヴァランティーヌ(イレーヌ)はファッションショーの帰りに犬をはねてしまう。その首輪に書かれていた住所を訪ねる。飼い主は初老の男だが何故か取り合ってくれない。動物病院で治療したが逃げ出した犬、探したら元の家に。そっと忍びこみ様子を伺うヴァランティーヌ、聞こえてきたのは卑猥な男性の会話、聞いているのは初老の男。彼は退官した判事で隣の家を盗聴していた。止めてくれという彼女、そんなにいうなら隣に教えてやれという男。この辺がフランス映画っぽいやりとりになっていて、思いやりのある若い女性に自己中心的な小難しい年寄り。後日、この男ジョゼフは盗聴で告訴されるが密告したのは彼自身。きっと、可愛いヴァランティーヌに嫌われたくなかったのだろう。彼女のおかげで生活を立て直すことが出来たので、仕事でロンドンに行くというヴァランティーヌに船旅を提案する。

 映画全体の画像には赤が所々に使われていてそれが印象に深く残っている。イレーヌが輝いていたのは、トランティニャンの深みのある演技だと思う。残念なことに彼は昨年92歳でこの世を去りました。この作品が一番フランスぽくって個人的には好きだった。

 最後の場面の船は悪天候になり転覆してしまうが、生存者の映像の中にヴャランティーヌ、ジュリーそしてドミニクが。憎い演出です。ここで、繋り「トリコロール」が完成しました。

 次回はどんな映画のお話をしようかな、好きな俳優にスポットを当ててみますか!

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