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トレッドミル狂想曲・その6

防音ドア

いよいよドアの作成に取り掛かる。ドアはこれまで何度も作ったり取り付けたり外したりしてきたが、防音ドアなんてものはもちろん作ったことがない。ただ、ポイントは壁と同じでとにかく重く作ること、そして気密性をあげること、この二つだ。

重くすること自体は簡単で、石膏ボード2枚で吸音材をサンドイッチして壁と同じ構造にする。気密性の方はドアの周りにフランジ状の板を回してそこにゴムのパッキンを全面に貼り付ければ良さそう。まずは取り掛かってみよう。

まず、ドアのフランジを「受ける」側の枠を垂木と石膏ボードで作りつける。
狙いのサイズでドア枠を作る。これはミリ単位で精度が必要
ドアノブを取り付けるところにはあらかじめ垂木を増し打ちしておく
片側に石膏ボードを貼る。気密性を上げるためボンドをたっぷり使う
壁と同様に吸音材をミッチリと詰めて
反対側にも石膏ボードをつけて、取りあえず基本構造としては完成。今回ばかりはかなり奮発して剛性の高いヒンジをつけた
外から見た図。あっという間に取り付いてるけどこのクソ重いドアを正確に狙った位置につけるのは大変だった

気密対策

そしてこんな感じでドアと壁に互い違いになるようにゴムモールを這わせ、この面の気密性を確保
ドア側にはこのように合板でフランジ状の構造をつくりつけて
壁側にゴムモールを一周
ドア側にもゴムモールを一周(正確には「コ」の字状)

これで、ドアを「ムギュッ」と壁に押し当てれば、ほとんど完璧に空気が漏れない状態になった。問題はどうやってそのドアを押し当てて固定するか、ということだ。

グレモンハンドル

一般的な防音ドアには、ドアを密閉するために「グレモンハンドル」というラッチが使われている。

モノタロウより

これは、ハンドルの先についたコロ状の部分が、レバーを回すことでドア枠のテーパー状の部品に押し当てられて「ムギュー」とドアが閉まる、というものだ。バンドなどでスタジオを使う人はよくご存知かと思う。これがモノにもよるが1万円ぐらいするからとても買う気にはなれない。

自作

世の中よくしたもので、こう言った防音室を自作している人は既にグレモンハンドルも自作していて、それをブログ記事にまとめてくれている。普通のドアハンドルに穴を開け、ボルトナットとキャスターのローラーなどをうまく組み合わせている。天才だ。これをいただこう。さっそく部品を買ってきて作成を開始した。

レバーハンドルは、前の借家で勝手リフォームをしたときに使っていたものが余りまくっているのでそれを使う。ボルトナットやキャスターなどは安いものだ。

どこのご家庭にもひとつやふたつころがっているごく普通のレバーハンドルと、ボルトナット類、そしてキャスター
いい感じの角度のところに穴を開けて
タップを立てる。持っててよかったタップ&ダイスセット
こんな感じで長ボルトを通せるようになった

角棒延長

もう一つの問題は、ドアの厚みが7センチぐらいあって、普通のドアノブの部品だと連結する角棒の長さが全然たりないことだ。これは適当な鋼の棒を工具箱から漁ってきて、グラインダーで四角くして使うことにした。

すんごくいい加減な工作だが、なーにこんなのはハマれば良いのです

ハンドル完成

キャスターをばらしたローラーをボルトに通し、いい感じに転がるぐらいのところでダブルナットを掛け、ドアノブの穴に通して固定する。・・・完璧だ。想像していたものよりずっと良い感じにできたぞ!

こんな感じで、レバーを押し下げてローラーをぐいっと上げる方向

密閉

あとは、ドア枠の方にこのローラーが上り詰めるテーパー状の部品があれば良い。ちょっとした木片を斜めに切って取り付け、何度か調整した。ドアを閉めてハンドルを回すと、ムギューッとドアが枠に押し当てられ、完全に密閉された!

ムギューッとね

この効果は絶大だった。中で音楽をドカドカ鳴らしながらこのドアを閉めてハンドルを回すと、スーッと音が小さくなるのがわかる。もちろん音楽スタジオみたいに「全然聞こえませんよ?」みたいなことにはならないが、素人が作ったにしては上々ではないか?!うれしくて小躍りしたくなる気分だった。

天井と窓の工事は不要

ここでふと気づいた。「天井と窓、やる必要、なくね?」そうなのだ。まだ天井はまったく手付かずだったし、窓をふさぐこともしてないのに、もうほぼ十分な防音性能が確保できている。

考えてみれば、天井側には「屋根」という巨大構造物(しかもだいぶ重い)が乗っかっているのだから、そこから音はほとんど漏れないと考えて良い。そして窓だが、もともと二重窓を使っているし、調べたところガラスの防音性能は非常に高く、石膏ボード並だという。ということは二重ガラスは石膏ボード2枚重ねに匹敵するということだ。あえて窓塞ぎまでしなくても良さそうだ。

年の瀬

もう完成はすぐそこ、まで辿り着いた。あとは壁と床の仕上げ、そして最後の難関、吸排気口だ。既に年末休みに突入し、毎日必死で作業を進めていたが、この時点で既に12月28日だった。年内完成は微妙な情勢になってきた。

つづく



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