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撤回

アレ」から約5ヶ月。猛暑の7月末、先日のMRIおよび一週間ホルター心電図の検査結果を聴きにまた女子医大に出かけた。

暑い、いや熱い

例によって予約は9時半だったが、ただひたすらに待合の椅子で待ち続ける時間が流れていった。前日、久しぶりにやった30キロラン(ただしトレミ)がだいぶ効いていて、座っていても辛い。

ようやく中待合に入った時には2時間以上経っていた。ただ、今日が今後の身の振り方を考える上で重大な話になってくる筈だから、そんなことはどうでも良かった。

特に気になっていたのは、MRIの診断で「運動中の高血圧によって脳血管に重大な影響がありうる」とか「一週間の心電図解析で心臓に深刻な負荷が掛かっていることが判明」とか、その類のことだった。

5ヶ月前のことを思えば、何を言われても動じない覚悟はしていた。

先生は、先日送ったデュアスロン中のログを取り出して、改めて見ながら「これやっぱりおかしいんですよね」と、心拍が異常値を指しているのにパワーが全く落ちていないことを指摘した。「センサーの異常の方が疑われますね・・・」

先生によると、心房細動などの生体側の原因で心拍がカチ上がるときと、グラフの挙動が異なるのだそうだ。そう言われるとそうなのかもしれないが、当時どういう感覚だったかはもはや記憶がおぼろげで「たしかに異常にバクバクしてた気がするんだけどなぁ」という程度でしかない。

そして先生はニッコリ笑って(マスクしてるから目と口調だけだが)「試合出て大丈夫ですよ。」おおっ・・・!!

と、ちょ、ちょっと待ってMRIとホルターの結果は?「ああ、忘れてました、問題ありませんでした」なかったんかーい

私の脳の断面と脳血管の3D映像(究極の個人情報)

まず、MRI(正確にはMRA、MR血管造影と言うらしい)の方では、少なくとも動脈瘤などの脳血管障害につながる所見は見られないとのこと。

若干、陳旧性(むかし何かあったらしいけど、その痕跡しかない状態を言うらしい)の微小な脳血管障害が見られたくらいで、正常の範囲内とのこと。

一方の一週間ホルターでも、若干の期外収縮は認められたものの危険な連発などはなく、これも正常の範囲ということだった。

これにはなかなか興味深いデータがみっちりと記録されていた。装着時間全170時間のうち、123時間分(全体の約73%)が有効なデータとして解析された。

その間の心拍数は合計約44万4千回。うち99.95%が正常、0.05%が期外収縮とのこと。最大心拍160bpm、最小心拍48bpm、平均心拍60bpmだった。

ちなみにこの間、金曜のベースライド、日曜のエンデュランスライド、月曜のベースライド、水曜のエンジョイライド、木曜のデュアスロン、そしてラン連をちょくちょくやっているが、キリキリと追い込んだのはデュアスロンだけ。

データの後半には、細かい期外収縮や波形の乱れた箇所がこれでもかとリストアップされていてちょっとビビるのだが、先生は「こんなのは誰にでもあります」ということでほぼ気にしなくてよさそう。

そんなこんなで、いずれにせよ当初診断された「肥大型心筋症」を示すようなエビデンスは見られないとのことだった。

じゃあなんで最初の先生はそう診断したのか?という疑問がわく。

これは想像するしかないけれど、最初の先生はあまり日常的にアスリートを診ている感じではなかった。そして、普段から「心筋が病的に肥大してる人」の症例をよく診ている→「(アスリート的に)心筋が肥大してても病的に見える」だったとか?・・・

知らんけど。

ということは、病気でもないのに病気と言われて俺は人生を狂わされたのか?「俺の5ヶ月を返せ〜!」などと言い出してもおかしくなさそうなのだが。

実はそんな気はまったく起きなくて、むしろこれはこれで良かったと思っている。

  • TOという関わり方を知った(楽しそうな知り合いがまた増えた)

  • たった二日間とはいえ、珠洲に恩返しに行けた(もうちょっと行きたい)

  • トレッドミルを本気でオーバーホールできた

  • 全力で応援する楽しみを知った

これらは、盲目的に競技を続けていたらできなかったことかもしれない。そして、それより何より、

おれやっぱりトライアスロンめっちゃ好きやん

これを痛感できたことに尽きる・・・なんでやろうなぁ・・・これまで何度もめちゃくちゃ酷い目に遭って来たのになぁ(笑)

今シーズンはもう自分の中で「休みの年」と定義されているので、宣言どおり試合には出ないが、満を持して2025年から復帰することにした。

もちろん、先生が大丈夫と言ったからといって、ただの生体である自分の身体が絶対に大丈夫などとは思ってない。実際、もし何か気になることがあったらすぐにログを送って受診するように、と先生に念を押されている。

まだ来年どのレースから、というのは具体的には考えてないが(当たる確率が極めて低くなった)東京マラソンに一応申し込む、くらいから始めるとするか。

などと、これまでの5ヶ月のことをツラツラと回想しながら曙橋から帰宅したのだが・・・

前日の練習の疲労+猛暑+昼食抜きという悪条件が想像以上に身体に負担を掛けていたようで、熱中症(たぶん)で倒れてしまった。

帰宅してOS-1飲んで冷水で身体冷やして栄養採って仕事は休んで安静にしていたのだが、頭痛・腹痛・全身倦怠感でボロボロ。もちろんJETTライドは欠席。

勉強になりました・・・みなさんもぜひ気をつけてください。ではまた、オリンピック(超人達の天下一武闘会)観戦にもどりましょう。

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