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TTバイクでポタリング④河口湖に彩雲と誉と零戦を見にいく

先日の診断結果により、めでたく私のキャニオンスピードマックスは「ポタ専用」ではなく来年から実戦に供される見込みである。

ただ、今年はあくまで休養の位置付けなので当面は引き続きポタ記事を上げていく。

なお、このライドのどこがポタなのかと言われるかもしれないが、ストラバによると平均パワーがわずか1.8倍なので完全にポタである🤪

さて今回の行き先は「河口湖自動車博物館・飛行館」。ここには以前からゼロ戦が収蔵されていると言うことで一度行ってみたかったのだがなかなか機会がなかった。

そこへ今年からさらに高性能偵察機として名高い「彩雲」のレストア中の機体も公開されたと言うことで、これはもう見に行かねばなるまい。

この博物館は、毎年8月しか開いてない。これもなかなか行けなかった理由の一つだが、実は今年はゴールデンウィークにも特別にオープンしていて、まさに今回のように行こうとしていたのだが体調が悪くて断念していた。

今回も、もともと土曜日にいくつもりが金曜に首を寝違えて調子がイマイチだったため、スイム練で首をほぐしておいて日曜の回復に賭けることにした。

当日朝はまだ首の痛みは残るが、どうにかこうにか行けそうな雰囲気。自宅から目的地まではGoogle先生によると約93キロ。超級山岳コースゆえざっくり5時間は掛かると見込まれたので、10時の開館に合わせて5時出発を目指す。

しかし「昨日の夕方まで覚えてたのにー!!」という失態でeTAPのバッテリーの充電を忘れていた。しょうがないので充電してる間に犬の散歩を済ませる。まだ電動ディレイラーの運用に慣れてない・・・

満充電には足りなかったが、1日ライドには充分と思われた。その他もろもろで結局出発は5時半になった。でも30分ならまぁ許容範囲ってことで!

ほなー行ってみまひょか~

コースはいつものように鶴川~図師~芝溝街道~R16~橋本~相模原IC~串川~青山と辿って道志みちへ。

途中、車列に混じってピッカピカのスバル360がブイーンと抜いて行った。

青野原セブンで休憩

と思ったらセブンイレブンで休憩していた(笑)。スロットルケーブルをいじってエンジンの吹けを気にしたりしてて、やっぱり旧車は大変そうだ。

まだそれほど暑くないし、標高を上げるにつれ、川沿いに天然クーラーの涼風が吹き抜ける。この気持ちよさは代えがたい。だから私はZwiftの山は嫌だけどリアルの山は好きなんだよ(遅いけど)。

以前はたどり着くまで永遠かと思うほど遠い気がしていた道の駅道志にもサクッと到着。前はここで休まずにはいられなかったが・・・

信号待ちで横目にみて、そのままスルー

今回の表の目的は自動車博物館だが、裏の目的は「スピードマックスのワンバイのギア比で山伏峠を越えられるのか?」であった。

これはギア比的には問題ない筈だった。いつも乗ってるコルナゴのギアが前52-36丁、後ろ11~28丁。でも山伏峠はいつもアウターで乗り切っている(推奨はしません)のでギア比1.86。

一方スピードマックスはフロントが50丁、リアが10ー33丁なのでギア比1.52と、計算上余裕。もっと言うとローから二枚目の28丁(1.79)でもどうにかなりそうだ。

何度来てもここはキツイ

結果的には、最後のエグイ直登2連発の後のS字でヘタレてローにぶち込んだが、それ以外は28丁で押し切れた。これは行ける!セグメントも部分的には前より遅かったりしたが、青山から山伏峠まではベストだった。まぁタイムアタック的な走り方をしたことは無いんだけど。

これなら、珠洲の旧大谷峠以外ならどこでも登れそうだ。珠洲はもしかしたら再開されないかもしれないけど、もし再開されたとてキャニオンではなく前二枚の旧車で行くから問題ない。

トンネルを過ぎると山中湖までボーナス的な下りを満喫。途中路面が素晴らしく整備されたりしていて快適だった。

しかしこの日は富士山はお隠れ・・・

山中湖から河口湖へ向けてピヤーッと下って行き、途中でキュッと左折して高速道路ぞいの道へ出る。しばらく走っていて気付いた「あっこれは富士五湖ウルトラの前半のコース・・・!!」。

ああ~、あの頃は「気持ちエエ~」と調子に乗って走ってたなぁ。そして北麓公園へ登っていく坂。今回もまだ、ここまでは良かった。問題は北麓公園を過ぎて、最後のエイドのあたりの交差点からさらに南(つまり富士山側に)へギュギュッと登るところだった。

青野原セブン以降なんにも食ってないからもうエネルギー切れで、そこへラスボスのような坂が来たので悶絶した。しかし残り数キロだったので何とか耐えてようやくたどり着く。

キターッ

こんなマニアックな博物館、ガラ空きであろうと勝手に思っていたらさにあらず。お客さんの車列が入口から道路までズラリ、駐車場は満杯。時刻は10時40分と、オープンしてさほど経ってないというのに・・・

それにしても直射日光がメチャクチャ暑い。これ今は標高が高いから日陰ならどうにかなるけど、街に降りたら大変なことになりそう。

邪魔にならなそうなところに停めて柵に絡める

来ている車は当然のことながらマニアックなものが多い。アルシオーネも居たし。・・・と、さっきのスバル360が!あんたも来たんかーい(笑)

飛行館は別棟(別料金)

屋外にもいろいろ展示されている。飛行館の横に積んであるのはF-86Fセイバー(良く知らない)の胴体。

C-46カーチス(これも良く知らない)

今日は彩雲を見たいのが主目的だから、正直自動車の方はどうでも良かったんだけど、せっかくだから見に行く。入館料1,000円。

なつかしー!!

いやこれはこれで圧巻だった。T型フォードから、大戦前後の超貴重な車両も含め、近現代までの非常にアイコニックな車両が所せましと収蔵されている。これどうやって集めたんですか・・・?

ここでも気になったものを書き出したらキリがないから、飛行館行って見よう!別棟にて入館料1,500円。入口ではノベルティの零戦Tシャツが一枚なんと二千円というお値打ち価格(しかも零戦カラーの緑と白)で、欲しかったけどサコッシュがないので諦めた。

入ったらただちに目に入るのがこちらの彩雲(レストア中)。デカすぎてフレームに収まらない。

我に追いつくグラマン無し!で有名

これは南洋のどこかの島のジャングルに墜落してボロボロに腐食した機体を引き上げてきて、4年前からレストアに取り組んでいるもの。もうすでに胴体の外板はほとんど綺麗に修復されてるし、なんといっても白眉なのがその「誉」エンジン!

本物の「誉」だ・・・

旧日本海軍の航空機エンジンで最強と言われる、排気量35,800cc 空冷星形複列18気筒・出力2,000馬力の高性能エンジンだ。

見よこのフィンの造形・・・空冷技術の極致

残念ながら当時の技術や資源が充分でなかった環境では、この芸術品のようなエンジンの性能を出し切ることが難しかったという。しかしよく訓練された整備兵のいる部隊では、彩雲だけでなく四式戦疾風などでその高性能を遺憾無く発揮したそうだ。

これだけでももうお腹いっぱいなのだが、飛行館にはまだまだ目玉がたくさん。その一つが一式陸攻。

デカッ!!

いや、曲がりなりにも重爆なんだから小さいわけないんだけど、初めて見た実物は本当にデカい。翼は取り外されて綺麗にレストアされた胴体だけが展示されているのだが、尾翼だけでもだいぶデカい。

防弾装備が手薄だったためワンショットライターなどと揶揄されていたということだが、これはこれでバランスの良い綺麗な形をした機体だと思う。

他にも当時の技術を流用して作られた特徴的なものもいくつか。その一つが十字号。

ゼロ戦用の超々ジュラルミンを使って終戦後に作られた

存在は知ってたけど、実物は初めて見た・・・素材もすごいけど、このフレーム構成も超モダンでしょ?面白いねぇ・・・

そして何といってもゼロ戦。

これは52型。もう一機21型もある

日本の男子はだいたいみんなゼロ戦好きでしょ?私もご多分に漏れず小学生のころからゼロ戦は大好きだった。最近の子はどうなんだろう?

「戦争の道具を美化するな!」とかいう向きもあるかも知れないが、いやそういうんじゃないんだよなぁ。日本刀とかもそうなんだけど、ゼロ戦には日本人の精神性と美意識が色濃く反映されていると思うのだ。

本物の栄エンジン

そう。ゼロ戦は「美しい」んですよ。機械として、飛行機として、その造形の完成度が非常に高い。

上につるされてるのは隼

陸軍の隼も悪くはないんだけど、どうしてもゼロ戦の方が、フォルムとかディテールとかのごくわずかの差でしか無いのかもしれないけど、やっぱりカッコいいと思ってしまう。

飛燕なんかもそりゃ水冷のおかげのあの機体はカッコいいけど、星形エンジンのロマンにはちょっと敵わないな。

それは単に造形の話だけでなく、その辿った運命がなんともヒロイックかつ最後は悲劇的なところなんかも、まるで当初は大活躍したのにその後頼朝に追われて不遇の最後を遂げた義経のようで、そういうのが何となく我々の琴線に触れてしまうのではないだろうか?

この栄は唯一の実働。時々始動会をやってるみたい。見たいなぁ。

星形エンジンは、ロマンだよねぇ・・・この精緻な空冷フィンの作りは誉でなくても栄でも相当なもの。こんなのを、3DCADもない1930年代に設計して実現してたんだからすごいこと。そりゃ当初は海外の技術を丸コピーしてたのかも知れないけどね。

もう一機、スケルトンのものも

飛行機以外にも、当時の世相を反映したポスターやらパイロットの遺品やらいろいろなものが展示されていたり、栄や誉以外のエンジンやその部品なども沢山あって、見ていて飽きない。

これは飛燕のハ40の親戚、アツタエンジン

そういえば各務原には飛燕があるんだなぁ。そっちも見に行きたいなぁ。

栄もあるところにはあるんだなぁ

もうこの手の「空冷星形」エンジンは一種のロストテクノロジーになってしまったようだけど、もし仮にトヨタとかホンダみたいな会社がその内燃機関技術の総力を挙げて星形エンジンを作ったらどんなことになるんだろう?などと妄想が膨らんでしまう。

まぁ当時でも既にスーパーチャージャーとか水メタノール噴射とか凄いことをやってたみたいだけど。

ということで飛行館だけでだいぶ熱く語ってしまったので後はサラッと(笑)。

帰宅をあんまり遅くしたくなかったので、1時間ちょっとでなるべくササッと見て帰途に就く。帰りは山中湖側から山伏に上る以外は基本下り基調なので快調に進行した。

ただ、いつものことながら標高を下げるにしたがって気温が急上昇。時刻も14時あたりになり日射は激烈化。水をザブザブと被り、何度も自販機休憩をしたりしながらなんとか体調を保って帰宅することができた。

無事帰宅

これで、キャニオンのカリッカリのポジションでも安定して山岳ロングライドができることが分かった。やっぱり思ったより乗りやすい。特にエアロバーの根っこが一本になってるお陰でベースバーの中心部を握ってリラックスして坂を登れるのが良い(パッドを持つと上体が起きすぎるからね)。

2654mUp🤢※157WはNP

ああ疲れた・・・このあとブリックランをする気力は無かった。

前の300キロライドに比べたら大したことない

今回はバイクが良かった(重いのに?)せいかあちこちのセグメントでベストタイムが出ていた。ちなみに(当たり前だが)ここらへんのセグメントはほとんど全部名だたるプロによってとんでもないタイムで占拠されている(笑)。

まぁでも面白かった。また、どこかで頑張りましょう。

つづく・・・(かも)

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