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私のZwift小屋 My Pain Cave その1

序章

私がZwiftのことを最初に知ったのは多分2016年ごろのこと。まだZwiftが課金サービスを初めて間もない頃だったと思う。当時は長い単身赴任生活を終えてようやく家族を横浜に呼び寄せ、借家に住んでいた。

その借家には一階に3畳の納戸があって、そこが自分の部屋だった。子供二人はそれぞれ6畳と4畳半を当てがわれていたのに不憫なお父さんだ。しかもそこに机・本棚・工具に部品箱、そして自転車4台も詰め込んでいたのだから結構悲惨だが、部屋があるだけマシだ、という話もよく聞く。

当時から既にパワーメーターは持っていた。今はもうすっかり見かけなくなったパワータップハブ(手組み)である。しかし、当時の使い方は走りながら「ふーん●●W出てるな」と思うだけで、今からすると何の役にも立っていなかった。

2012年ごろに買ったパワータッププロハブ。重いけど信頼性は抜群

ローラー台も持っていた。同様に今では見向きもしないただの固定ローラー(TacxのSatori)である。そしてこちらも同様に、当時はたまに雨の日などに「しょうがないからローラーでも回すか〜」とちょっと乗ってハァハァして終わり。こちらも今からすると何の役にも立ってない。

初Zwift

そんなところに「ローラー練が楽しくなる仮想空間」という触れ込みで登場したのがZwift。新しもの好きの自分。パワメはある。ローラーもある。じゃやるしかないでしょ?さっそくインストールしてみた。たしか2016年の珠洲が終わった頃だったと思う。

ごく初期にペアリングしたときの写真。いまも大してUI変わってない

この時一歩踏み出したことが、後に自分の人生を大きく変えることになるとは、この時はまったく知る由もない。でも、確かにただローラーに乗るよりは楽しくなったので、それまでよりは明らかに高頻度で乗るようにはなった。

後ろに居るのはペースパートナーではなく「賑やかし」の亡霊ライダー

しかし、結局当時はまだその程度で、一応FTP Boosterとかのメニューはやるものの、ラン練の合間に気が向いたら乗る程度で、正直なところほとんど進歩がなかった。ちょうど1年後の2017珠洲トライアスロンのバイクタイムも3分ほどしか改善していない(しかも前年は潮流が酷くてスイムでヘロヘロになった年だった)。

引越し

さらに明けて2018年。ちょっとした事件が起きた。借家の大家さんが「そのうちに家を売却したい」と言い出したのだ。えっそれって店子は立退きってこと?それは困った。ようやく生活が安定して来たのに。我が家はなぜか3〜4年置きに何らかのライフイベントが発生して引っ越しを余儀なくされるようだ。

紆余曲折は割愛するが、結局また家を買って(なんと買うのも3度目)引っ越すことになった。選ぶ際にはもちろん「少なくとも現状同等の自分の空間を確保できること」が重要案件になったことは言うまでもない。幸いにしてうまい具合に3畳の納戸が付いた物件を見つけることができた。

もう何度目かわからないぐらいやった引越し、夫婦で「プロかよ」と思うぐらいの手際良さでこなし、6月初旬に無事移り住むことができた。さて問題はZwift部屋である。その納戸は(分かってはいたが)寝室の真横にあった。

前の家では納戸は1階の端で、2階の寝室とはそれなりに離れており、常識的な範囲の時間帯ならば固定ローラーを回してもさほど迷惑にはならなかった(もちろん早朝深夜には論外な騒音だったが)。

しかし、念のため納戸にローラーを設置して試してみたところ、横の寝室もさることながら真下の台所・リビングに盛大に振動が伝わることが判明してしまった。木造とは言え別に安普請の家だったわけではなく、タイヤドライブの固定ローラーとはそんなものなのだ。

ウッドデッキ

これはもう、庭にZwift小屋を建てるしかない。それまでは我慢して外走りで頑張ろう。そう決意したのがその年の夏の終わりである。小屋を建てること自体には嫁さんも同意してくれた。しかし、そこには条件がついた。自分だけのものを先に建てるのではなく、まず家族のためにウッドデッキを作れと。

仕方がない。家族の幸せのためだ。ウッドデッキを作ろう。とは言え、それ自体は自分も以前から欲しい、作りたいと思っていたものだったから、作ること自体は楽しみだった。着工したのは2018年も暮れのことだった。当然平日は仕事だから作業は週末のみ。年末年始の休みも注ぎ込み、苦労に苦労を重ねてついに竣工したのが翌2019年の2月中旬だった。

苦労のかいあって家族には大好評、サイズは8畳ほど

当然、この期間は練習も平日のラン以外ほとんどしてないし、ローラーもZwiftも封印状態。でも幸か不幸か、この頃はまだ「Zwiftの真の楽しさ」にはまだ全く気付いていなかったのだ。

例によって「その1」ではZwift小屋に着工すらできないのだった・・・

つづく

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