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2023五島トライアスロンレポートその⑧【ゴール後・総括編】

幸せの時

ゴールした直後、タオルを受け取ってさてどうすっかと思った刹那、岩Tさんが声を掛けに来てくれた。「おおーっお疲れさまです!!」感動の再会だ(笑)。なんと、彼はほんの30秒ほど前にゴールしたばかりだったという。ずいぶん離されていたはずだが、終盤にかなり巻き返したようだ。

一時期アクリルのメダルになったこともあったが、やっぱりこの方が良い

一方山Mさんはさすが余裕のサブ4でランを締めてエイジ2位に食い込んでいた。彼にしてみればエイジ優勝を逃した、というところかもしれないが、毎度表彰台の常連、マジリスペクトである。ただ、先にゴールして岩Tさん夫妻がゴールするシーンを撮っとく約束をしていたのに、タイミングの関係で失敗したらしい。

地元の英雄、H口さんも(ウェアがわからなかったのでレース中全然見つけられなかった)もちろんゴールしていた。レース中に気づいたのだが、ランコースの途中の橋に「五島 H口K二がんばれ」的な巨大な横断幕まで用意されていたのを見てびっくりしたものだ。

JETTのRuiさんも当然ゴールしていたが、我々関連の中ではダントツだっただけに、もうホテルに戻っている様子。

五島うどん

しばらくゴールエリア横のテーブルに陣取って五島うどんをいただきながら第一次反省会。これがもう最高のひととき。レースが終わった開放感と、同じ苦しみを分かち合った仲間との会話。本当に楽しい。

ライブタイミングを確認したところ、次に帰ってくるM上さんまでしばらく時間がありそうだったので山Mさんと一旦宿に引き上げることにした。道すがらバイクもピックアップしてホテルに戻る。いつも只ビールを提供してくれる酒屋さんは今回はもう早仕舞いしていたようだ。

最高の風呂

大浴場で「アアーッ」と唸りながらお湯に浸かる。全身あちこち痛いし、ヘロヘロだが「このために生きてる!」という気分だ。

一風呂浴びたら、早くゴールしたメンバーには「注文しておいた打ち上げ用のオードブルをほっともっとに取りにいく」という重大ミッションが課せられている。別室組や別ホテル組も呼んで盛大にやる予定なので10人前頼んでおいたら、すんごいデカイパック二つ。ちょっと盛りすぎたかな?と思う。

仲間のお迎え

そしてまたゴール地点に戻ると、ちょうどM上さんがゴールに向かっているところが見えた!慌てて迎えにいく。出る前は不安です練習不足ですなどと言ってたが、さすがはウルトラ歴戦の雄、余裕の完走だ。でもかなり出し切ったようで、疲労困憊のご様子。

もうしばらくすると、初ロング・初五島のU原さんもしっかりした足取りで戻って来た!素晴らしい!皆で取り囲んで口々に祝福する。初ロング完走というのはなかなか大変なことだし、皆その意味をよくわかっているから。彼も相当に出し切ったと見えて、ゴール後たちまちロボット状態になっていた。

その後の人たちのライブタイミングを見ると、だいぶ厳しい状況が伝わって来た。まず、KS石さんが手術後の金属が入った脚の痛みに耐えかね、ラン一周目終了時点でDNF。意外にもサバサバした表情で「かえって諦めがつきました。来年からBにします」とのことだった。

次に70台の星、Y山さんは30キロ通過までタイミングが表示されたが、残念ながらその後収容車に追い付かれてしまったそうだ。自分が二周目のときに一周目後半の彼にエイドで追いついた際に「もうわたしゃダメです」とか言うもんだから「もうダメな老人の走り方じゃないですよ!行きましょう!」と激励したのだが・・・

一緒に参加したスペインの世界戦で極低温のスイムでDNFした以外、これまで国内無敗を誇っていただけに、落胆の色が強かった。「もう五島はやめにします」「えー・・・まだBなら行けますよ!」「いや、あたしゃ皆生とか佐渡みたいな平坦なところならまだどうにかなるけど、五島はもう無理」・・・何年か前も「五島卒業宣言」で辞める辞める詐欺をした人だから、また不死鳥のように復活してくれることを期待している。

そして最後まで残っていたG田さんのリストにも、ついにDNFが表示されてしまった。彼も病気や怪我などでほとんど練習ができなかったとのことで、やはり「しょうがないよね」という表情だった。一緒に参加した仲間がこんなにたくさんリタイヤしたことはこれまでになかったのでちょっとショックだった。

厳しい結果

改めて見直すと、Aタイプ出走が505人。うち完走が415人、DNFが90人つまり完走率は82%ということで、これは気温がそれほど高くなかったことを考えるとかなり厳しい結果だったと言える。スイム0.8km、バイク25キロ減に対して制限時間が1時間半短縮されたのだが、スイム・バイクともに下位の人だとこの距離で1時間半以上掛かってもおかしくない。

元々、アイアンマンディスタンスで15時間というのは本家アイアンマンより厳しい。まして五島のコースの厳しさを考えると、やはりちょっと厳し過ぎたのではないかと言う気はする。ただ、これは現地の交通規制やボランティアの動員など、さまざまな要因から決定されたことなので、単純に選手目線だけで言っても始まらないことだ。

大反省会

ともあれ、ようやく全員の安否がわかった。何があろうと、皆が怪我なく戻ってくることが一番大切だ。そのあとは9時半くらいからホテルに集まって大反省会。あそこであんなことがあった、こんなことがあった、どこがキツかったの何のとワイワイと盛り上がりもう最高。しかしさすがにみんな内臓をやられてた様子で、オードブルは半分以上残ってしまった・・・(ごめんなさい)

途中でM上さんに突然電話が掛かって来た。「はい、はい、、わかりました」とか言ってる。なんと、総合順位510位ということで特別賞「五島賞」を受賞したので、表彰式に間に合うように来い、とのこと。オオーッ

そしてなんと、JETTのRuiさんも総合51位(Gou…)ということでこちらも五島賞!エイジM60で2位の山Mさんと合わせ、仲間内から三名も表彰式に登壇することになったのだ!素晴らしい・・・そんな話も肴に、酒はどんどん進むのだった(ただし自分は下戸なのでコップ二杯のみ)。

最後の試練

翌朝。実は最後の難関が待っている。痛む身体にムチ打ち、朝イチに工具持ってバイク乗って体育館への激坂をクリアし、バイクを梱包して自宅宛発送しなければならないのだ。いつもはホテルである程度時間に余裕を持ってできる作業を超速でこなさないと、表彰式に間に合わない。

今回はランの後半に復活して撃沈せずにゴールしたので、脚のダメージは最小限で済んだこともあり、激坂上りもなんとかこなしてさっさとバイク解体に取り掛かる。とにかく遮二無二バラして梱包して箱にポンポン詰めるしかない。体育館は蒸し暑く、汗が滴り落ちる。ダメージが少ないと言っても全身疲労の塊だから本当にきつい。でもこれを片付けないと家に帰れないのだからがんばるしかない。

なんとか他の皆さんからさほど遅れることなく梱包完了。予定していた便より一本早いシャトルバスに乗れた。フー・・・これで表彰式にも余裕で間に合う。

表彰式

五島賞!!おめでとうございます

今回は、たぶん無理だろうなぁと思いつつも、心のどこかで「うっかりエイジ3位に引っかかったりしないかな」と思っていたのは事実だ。しかし蓋を開けてみれば、3位の人との差は実に25分。1位に至っては1時間も速く、総合26位に食い込んでいるというとんでもない剛脚だ。まだまだ自分ごときが「凸」がどうこう言うのは10年早いのかもしれない。

帰途・エピローグ

さてこれで長いながい大人の遠足も、その行程のほとんどが完了。あとは総仕上げで無事に帰宅するだけ。せっかくだからと長崎ちゃんぽんを食ってから、名残りを惜しみながらジェットフォイルに乗船。順調に長崎港へ戻り、夕方の飛行機まで時間があるので少し市内を観光してからいつものバス停で空港へ移動。

仕事をリタイヤしたら、もう一泊追加して五島の他の島を見たり、長崎の街をもっといろいろ観光したいなぁ。しかし今はまた明日から仕事しなければならない。幸いリモートだからその点はずいぶん楽だが。

空港のレストランで最後の大宴会、そしてお土産の確保。今回もまた高級カステラと五島名物かんころ餅セットにした。

最後の最後で、飛行機が20分ほど遅れるとのアナウンス。ヤベー・・・たまプラ行きで乗ろうと思ってたバスに間に合わんぞ・・・羽田について皆さんに別れを告げて大急ぎでバス乗り場に向かったのだが、目の前で発車していった・・・これで30分遅れ、結局自宅についた時には午前様になってしまった。

クンクン、よその土地のニオイがするワン

しかし埼玉組はもっと大変で、京浜東北が止まってしまってえらい目にあったらしい。なかなか長い遠征をすると一筋縄では済まないものだ。それでも皆無事に帰りついたことが確認できた。長かったけど、終わってしまえばまるで幸せな夢をみていたような感覚に襲われる。こうして宝物のような記憶がまたひとつ増えた。

8回にも渡りお読みいただきありがとうございました。
次回、また皆生編でお会いしましょう。

おわり

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