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30年前の私…才能のカケラもなし。お手上げ状態からのスタートでした。

ダンス始めて早30年、現在47歳でございます。
高校3年のときダンスを始めました。

兄の影響です。

一つ上の兄が京都の大学に通っていて、兄が一人暮らしを始めて、半年ぶりに帰って来た時、ハットを被り、首には謎の数珠(変な宗教とかじゃないですよ)、オーバーオールを着て、靴はバッシュ、そして

肩にラジカセを担いでおりました。

私「おおーカッコいい」「どしたん?その格好」

兄「俺ダンス始めてん」

私「にーちゃん!ダンス教えてや」


その日から私のダンス人生は30年ダンス続いております。

その時の教えてもらったステップ、いまだに覚えています。

その2〜3個のステップを駐車場でひたすら練習しました。

そんな日が半年くらい経ったある日、また兄が帰省、二人で踊っておりました。

するとそこへ祖母が歩み寄り、、、

「誠(あ…兄の名前です)は上手いけど、裕樹(あ…もうお分かりでしょう。私の本名です。どうもヒロキです。)は下手やな〜」

衝撃でした。

まさか?自分がこんなに練習して来たのに、下手なわけがない。アホなんか俺の祖母は?

さらに追い討ちをかけられます。

「誠(何度も申し上げますが、兄の名前です)
の方が才能あるな〜」

祖母からの2発連続ギガスラッシュを喰らわされました。

この野郎!適当な事ばっかり言いやがって、昔から事あるごとに兄を褒め、俺を貶してた祖母よ。またやらかしたな?今までの悪行三昧は笑って許して来てやったが、今回ばかりは許すまじ。目にもの見せてやる!さぁ〜どうしてくれようか?

ふぅ〜ふぅ〜(深呼吸して落ち着こう、5秒経てば怒りの大半は消えるらしいから…)

ふぅ〜ふぅ〜

よし!ここは一旦冷静に確認してみよう。

その確認の後、祖母へ逆ギガスラッシュをお見舞いしてやればいいではないか?落ち着け!落ち着け!

と自分に言い聞かせて、親のビデオカメラを内緒で拝借し、少し離れた空き地へGO。

そこで音楽をかけ、自分のダンスを撮影。もうプロダンサー気分で踊りました。何故かミッキーマウスのTシャツでしたが…

30年前に踊った時に着ていたTシャツの柄なんて覚えてるわけないでしょ?てお思いの皆さん!違います。完璧に覚えているんです。その時の服装は…

これはあと50年経っても忘れないのです。

なぜか?それは

その映像を見た時、3発目のギガスラッシュを喰らったからです。

そこに映る自分を見て思いました。

「これは俺じゃないよね?こんなんじゃないよね?こんなにバランス悪い、カッコ悪いダンスなわけないよね?」と…


何度見返しても、バランスの悪さは変わってくれず…ただただクソださいダンサーが、空き地でミッキーマウスと共に気持ち良さそうに踊ってる映像でした。

「祖母よ!あなたは何も間違っていなかったですよ。心の中で罵声を浴びせまくって申し訳ありませんでした。死んでお詫びします。」

くらいの気持ちで、小さい川を眺めていると、物を"見る"事の出来る場所から、"塩っぱい水"みたいなモノが流れ落ちてくるのを'頬"と呼ばれる場所が感じ、私は気づいたのです。
泣いているんだと…

私は今泣いているんだと…

もう辞めよう!
ダンスなんて辞めよう!
私には向いていないんだ…違う事したらいい!無理して向いてない事しなくてもいいよ!これから始まる大学生活、他にも沢山あるよ、、、

あれ?あれ?なんや?なんや?

なんやこのムカつき…なんやこと劣等感…あかん!なんか分からんけど、許せない。

このまま終わってえーんか?あかん!無茶苦茶ムカつくやん!

家に着く頃にはもう目標が決まってました。
兄より上手くなるまで絶対辞めない!絶対見返してやる。

今まで教えてもらってた兄を見て、完全にはロックオンしました。
「おまえには負けね〜負けてたまるか!」

その時出来上がったのが、ダンス馬鹿こと
ドミニクです。

私の今までの行動原理の全ては、この反骨精神です。

反骨精神のみでここまで来だと言っても過言じゃないでしょう。

少しでも才能があったら30年も続けて来れなかったですね!間違いなく。

「くそ!!!見とけよ〜」を何万回言って生きてきたか?数えきれません。

そして今だにこれだけは治りません。

ほとんど毎日「くそ〜見とけよ〜」て言ってます。

こんな自分の性格、こんな人生最高やん!て本気で思ってます。

才能ゼロから始まった私のダンス人生…上手くなる方法を全て考えて練習してきた。

本当に全て考えてやってきた。

とりあえず踊って…なんとなく踊って…で、上手くなる事が全く出来なかった。

自分の才能の無さを恨んだ事も多々あった。

でも、その亀のようなスピードでしか進めない中で成長して、積み上げたスキルは、自分の中でしっかり言語化されて蓄積されている。

それが今、生徒を育成する上で凄く役立っています。

結局何が言いたいかと言うと。

今、ダンスに悩んでるキッズダンサー諸君!上手くなるスピードが君達の全てを決めるわけじゃない、遅いからこそ身につく能力がある。

何が功を奏するのか?は、後々にしか分からない。

でも諦めず、頑張って、楽しんでダンスし続けていれば必ず何かを手にする事は出来ますよ。

頑張れ!!

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