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わたしがやってきたことは無駄じゃなかった

アメリカの宇宙開発機関NASAでアカデミックインターンをする彼氏と別れて2か月目になります。


彼とのお付き合いで学んだことを

自己紹介がてらシェアさせてください。



彼との出会いは大学3年生の時のアメリカ留学でした。

滞在から半年ほど経って冬休みに入ったころ、

毎日のように会っていろんなところに連れていってくれる彼を好きになりました。


彼はフィリピン系アメリカ人で、生まれも育ちもアメリカです。

工学系の専攻で、すごく勉強熱心な人でした。


そんな彼から学んだことはたくさんあるのですが、

その中でも「アイデンティティ」のことはすごく印象に残っています。


彼はアメリカで生まれ育ったと書きましたが、

彼の両親がフィリピンから移住してきて、

ご両親は彼を「アジア人」として育ててこられました。

なので、彼自身としては、

自分がアメリカ人なのかフィリピン人なのかわからない状況でした。

そして、そのことですごく悩んでいました。


その感覚はわたしにとっては初めてで、

日本に生まれて日本人として育ってきたわたしには

考えたこともないような悩みでした。


「自分が何人であるのか分からない。

アメリカとフィリピンの間、まるで大海原に浮かんでいる感じだ。」


と彼は言っていました。


わたしには、この発言に対する答えがありません。

どう返すのが1番良いんだろう。

この問題は解決できるのか。

そもそも「母国」がない、所属する場所がないというのはどういう感覚なんだろう。

彼の居場所をわたしが作ることでそれは解消できるのか。


いろんな疑問が頭に浮かびました。

考えを巡らせました。

未だにどうして良いのかはわかりません。



アイデンティティについて掘り下げて書いてしまいましたが、

彼とはほかにもたくさん話をしました。

お互いの国の教育について、戦争について、社会システムについて、文化について。


日本人の友達とも話したことがないような、

けどわたしの中にはあって、けど誰にも話したことがないことを、

拙い英語で、繰り返し言い換えたりして懸命に伝えました。


「いや僕もそれ思ってたんだよ。

この国のこういう風潮のせいでこういう結果がでている。」


「あ、それは考えたことなかったな。

こんな違いがあるんだね。」


今まで話したことがなかったぐらい深い議論ができていました。


そして、その時に気づきました。


あ、これ今までたくさん勉強してきたからなんだ。

たくさん考えて、調べて、表現してってしてきたから

こうして自分の意見を言うことができるんだ。


これまでの自分を振り返ってみたら、

英作文をするときに考え、数学の問題を解くときに考え、

世界史でどうしても人物の名前が浮かんでこないときに考え、

常に脳みそをフル稼働させてきました。


わたしはこれまで「勉強」というものが役に立った、自分の財産になっていると思ったことは1度もありませんでした。

高校時代のお勉強は受験のため。

受験が終わったらそれでおしまい。

ぎりぎり学歴が残るぐらい。


好きで英語を勉強し、大学でも言語を勉強したいと思い、

外国語系の大学を選びました。


けどさ、海外行ったら英語喋れて当然なんだから、

それ抜きにしたらわたしって何も持ってないよな。

自分は英語を勉強してきただけ。


勉強をする傍ら、そう感じていました。


けど、そうじゃないということは

彼との会話を通して学びました。

実際、うわべだけの会話でなく深い会話ができていたんです。


わたしの学んできたこと、それについて頭を悩ませて考えてきたこと、

これらはすべて無駄じゃなかったんです。


これまで自分では気づいていませんでしたが、

自分が考えてきたこと、感じていたこと、

その経験は目に見えない「思考力」として

自分の中に積み重なっていく。


このことは、

おそらく彼と付き合っていなかったら未だにわかっていなかったかもしれません。


大切なことを教えてくれました。

今までありがとう。




#ふりかえり #自己紹介 #経験 #英語 #海外


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