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Barでの秘密は守られる~バーテンダーへ業務委託のお願い~

前回、見知った顔のいないBarに行くことを提案したが、今回は「♯私の仕事」のお題に関連付けて書いてみようと思う。

愚痴外来

正直、大それた仕事をしているわけではないので、語ることをはばかられるのだが、私は全国からのお悩み相談みたいなことをしている。
資格や業務内容から一般化すれば、いわゆる「カウンセラー」にあたるのかもしれないが、自称としてカウンセラーを名乗りたくない。理由は、私が未熟であるがゆえの、もっと上のレベルで活躍されている方々への敬意であり、患者様からしたらどちらもカウンセラーであることへの責任逃れではないことはご理解いただきたい。

考える合理性と悩む非合理性

カウンセリングという分野は非常に発展しにくい構造だ。
日本国民の17.9%が「悩みや心配事はない」というアンケート結果があるが、程度の差はあれど、悩みが全くない人はそうそういないと思う。

にも関わらず、心療内科や精神科などで、専門的に解決しようと行動にうつす人は少ない。
大概が、友達や家族に相談する。物事を理論立てて解釈する技術もない素人によって語られる、エビデンスのない情報を信じる

なぜそうなるのかはある程度理解しているし、なによりその事を批判したいわけでは無い
人は物事を、自分の好き嫌いや、様々なバイアス・習慣によって判断し、合理性はさほど重要視されない。論理的思考は必ずしも必要でないという点だ。

リファー

じゃあもうお願いしちゃおう。私ひとりで、日本国民の悩みすべてを解決する技術なんて無いし、そもそも時間と身体が対応できない。
みんなそれぞれのお友達と「全国リファー計画」を始動しようと思う。
リファーは、カウンセリング界隈ぐらいでしかあまり聞かない言葉だが、要は紹介や外注の意味である。

カウンセラーにもいろいろなスタイルがあるし、お互い人間だから患者との相性なんかもある。また、セカンドオピニオンのように、多角的な判断で精度を上げる意味もある。
(ちなみに私は、来談者中心療法をベースにソリューションフォーカストアプローチに持っていく。ローリスクで汎用性重視なので、あまりリファーしない。)
全国民の友達にリファー出来れば、価値観合うやつがいるんじゃないか?

カウンセリングと他人

だが残念なことに、友達がカウンセリングをおこなうのは難しい。
他にも、家族や上司などの、すでに関係性を持っている近しい存在では、カウンセリングは成立しない。

既存の利害関係が存在しない「第三者性」「外部性」の確保が前提であり、上司などの評価者に会社のグチは言えないし、親に生々しい恋愛相談というのも気が引ける。
実は、全然よく知らない人の方が気楽にしゃべれたりする。

全国のバーテンダーにリファーする

精神科よりは行きやすいBarで、
友達ってほど近くもないけど、そこらを歩く他人でもない。
様々な大人たちと対話してきた経験を持ち、
美味しいお酒で気分良くしてくれる。

家から数駅離れた、二度は行かなそうなイイ感じのBarでグチってみてもいいんじゃないでしょうか?
Barにはテレビがありません。スマホなどのヒカリモノを出すことは好まれず、SNSを覗いている人はいません。バーテンダーは、あなたが来店したことを広めたりしません。どうか、大きな決断をしようとする人が、私に騙されてBarに行き、うっかりバーテンダーに相談しちゃいますように。

”自殺を考える人間が最後に相談する相手は二人いる
ひとりは牧師 そしてもうひとりはバーテンダー
お客様に頼られる存在 それだけじゃない
バーでの秘密は 絶対に守られるからだ”
(Bartender 6stp 1より引用)


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