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第26話 事業計画はIMのクライマックス

「さあ、次はいよいよクライマックスだよ」

 山田はニコニコとページを送った。

『事業計画』

 事業計画は、P/Lと同じ形式の表で、将来5年間の損益計画となっていた。
 売り上げ、利益ともに成長していく計画だ。

「事業計画を立てるのは経営管理の仕事だったっけ?」
「いえ、事業計画は経営企画部の管轄です。経営管理は、計画に対する執行指導、予実管理と是正がミッションでした」

 白馬機工では、本社部門として二つの本部が存在する。

 ひとつは経営企画本部。
 会社の方向性を議論し決めていく組織体で、毎年の経営計画や、3年に一度の中期計画を策定することがメインの業務だ。
 そして、MA推進部や知財部、ブランド部のような中長期的なアクションを起こす部門も経営企画本部に属する。

 もうひとつは経営管理本部。
 ここは経営を管理し事業本部を支援・指導する機能部門が固まっている、会社の中枢組織だ。
 真奈美はその中心部門である経営管理部出身だが、他にも総務部、人事部、経理部、IR部、内部統制部、法務部、品質保証部などを抱える大きな本部である。

「なるほど。そうだとすると、経営管理の視点とは、少し見方が異なるかもしれないね」
「はい。それに経営管理部では中期的な計画はあまり関与しなかったです。足元の業績ばかり追っていました」
「そんなもんだろうね。経営企画とのすみわけということだろう。であれば、M&Aの視点でどのように事業計画をみるべきか、簡単に説明しておこう」

 山田は、事業計画について説明を始めた。


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