誰だって未完成(未完のものたち 感想)
生きてると、どうしたって中途半端に終わってしまってることがないだろうか。
埃の被ったギター、手つかずの絵の具セット、部屋着になったスポーツウェアから、書きかけの小説まで。
たぶん、やり残しがなく生きてる人の方が少ない。
あきばさやかさん作、未完のものたちは、そんなやり残しがある人に刺さる作品だと思う。
内容としては、仕事もプライベートもうまく回らなくて疲れ果てた主人公の前に、学生時代に描いた小説の主人公達が現れて、一作書き切ることになる、、、というお話。
絵柄もポップで可愛くて、出てくる小説の主人公達も個性豊かで、展開もテンポが良くて、、、
私はなんだかクスクス笑ってるうちに胸が熱くなってきて、最後にジーンときた。
とても熱いマンガだな、と思った。
作品内でも描かれているけれど、自分の好きなものと向き合うのってすごく大変だ。
上手くできるかもわかんないし、恥ずかしい気持ちもあるし、何よりすごく疲れる。私もイラストやマンガを描いてるけど、実は一作描くたびにヘトヘトのボロボロになっている。
でも、結果が出なくたって、やり切ることや完成させることにはきっと、大変な分以上の大きな意味がある。
少なくとも、何もしないでいるよりは軽やかに歩けるんじゃないだろうか。
そんなことを考えさせてくれた一作。ぜひ読んでみてほしい。
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