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日本のホワイトリスト、米国のブラックリスト

「ブラックリスト」というのは、よく聞く言葉だと思う。

カード会社で支払いが滞ってる顧客だったり、商品メーカーの窓口に毎日のように文句の電話をかけ続けるクレーマー、ブラック企業などなど。
そういった社会的に迷惑と思われる人や団体をリスト化したものがブラックリストとして、一般的にも認識されている。(ただし実際にそのリスト自体を目にする人は少ないだろう)

何はともあれブラックリストには載りたくない。

さらにその起源についてWikipediaで調べたところ

イングランド王チャールズ2世が、清教徒革命で父王チャールズ1世に死刑を宣告した58人の裁判官のリストを亡命中に作成したことが「ブラックリスト(黒い名簿)」の起源であるという。王政復古でチャールズ2世が王位に就くと、彼は「ブラックリスト」に記載された父王に死刑を宣告した裁判官を「王殺しの罪」で死刑または終身刑にして復讐した。

という物々しい歴史が出てきた。復讐のためのリストだったということですね。
ブラックリストには絶対に載りたくない。

そんな恐ろしげなブラックリストの対義語に「ホワイトリスト」というものがある。
こちらは、特定の人や団体(上客・得意先と呼ばれたりする)にだけサービスを行ったり、インターネットであれば、安全なWEBサイトだけを閲覧できるように作られるリスト。
ブラックリストのように、怖い話は一切無い。クリーンなイメージ。

ホワイトリストには是非とも特権階級として載ってみたい。

法律の場合

さて、国やある程度の規模の組織・団体には「法」や「法律」と呼ばれるものがある。
その法律の作り方で、日本とアメリカを比べると以下のような違いがあるんだそうだ。

『日本=ホワイトリスト方式』
書かれていないことは、してはいけない

『アメリカ=ブラックリスト方式』
書かれていないことは、してもよい

先のブラック=ネガティブ、ホワイト=ポジティブのイメージから一転、リストの使い所によってはその印象はガラリと変わる。
こうなると、ホワイトもブラックも良し悪しで、なんならアメリカの方が解釈の自由さがあって、起業人の僕としては好印象。まだ法律に書かれてないことにこそ新しい価値って眠ってるわけだからね。

しかしこの差は、国民性が表れているようにも見えて面白い。
「やっていいよ」と決められたことだけやる、というのは、"出る杭は打たれる"の日本文化らしい決め方だなと思う。

犯罪行為の側面から考えれば、やってよいことだけを明確にして、それ以外をNGとしている日本のホワイトリスト方式のほうが、広範囲に渡って抑止できるから安全のように思える。
けど、法律って犯罪抑止のためだけじゃなくて、社会のあらゆる決まりごとが含まれてる。

新しい何かをチャレンジするときに、例えばベンチャー企業が斬新なサービスを展開しようとした時に、「法律に書いてないからやっちゃだめ」ってなることも多々あると聞くが、このホワイトリスト方式に原因があるんだなと改めて考えさせられる。

逆にアメリカだと「書いてないからどんどんやっちゃえ!」で、スタートアップ企業は次々に斬新な経営方法で世界に名を上げていっている印象だ。
その分、犯罪もイケイケドンドンだと困っちゃうけど、企業が規制対応を考えて実行するエコシステムもあるという。

さて、一応は起業人のはしくれとして、このあたりの認識を強めておきたくて少しだけ掘り下げて調べてみると、『スタートアップ企業は今後、自らがルールを作っていくルールメイキングの意識が必要になってくる』という考え方の本に出会った。

国が制定したコンプライアンスを徹底するだけではなく、古い法律と衝突(コンフリクト)することを避けるだけでもなく、

「法を変えていく」つもりで事業計画を練る。

そのためには、起業の段階から相談できる「弁護士」をつけておくことが望ましい。これまでの弁護士は、何か問題や事件が"発生してから"の相談窓口という側面が強かったが、最近だと事前の相談窓口として対応してくれる事務所も増えているそう。
そして社会に対して新しいルールを認知してもらうための新しい言葉(キャッチコピー)を考えることも重要。

自分なりのホワイトリスト

法律はもちろん守るべきものだけど、「絶対」と思い過ぎずに、自分の法も持ち合わせておきたいと思う。
もちろんそれは法律だけでなくて、世の中の常識と呼ばれるものもそうだ。

一人一人が「こんなふうにやってもいいんだよ」という物事を少しずつ増やして、それが周りの人たちにも理解されるようになったら、どんどん挑戦しやすい日本になっていくんじゃないだろうか。
そんな風に考えながら、僕は日々いろんな活動に手を出しています。

ブラック企業よりホワイト起業。


Dongree 代表 ドリー

Dongree コーヒースタンドと暮らしの道具店・Dongree Books & Story Cafe(2020年6月OPEN予定)

略歴:WEB制作・デザイン業・コーヒースタンド経営・ハンドメイドクラフトショップ経営・各種イベント主催・地域おこし協力隊(滋賀県湖南市)


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