私のアイデンティティ
私のアイデンティティは
ほぼ小学生で確立されたと言っても過言ではない。
私は常に、「転校生」であるという意識があった。
小学校は4つ行った。
新しい学校に行くたび、毎度歓迎され、はじめましてから一週間くらいは注目の的となり、
もてはやされ、人気者になった気分で学校って楽しいなぁ♪と思っていた。
ただ、そこから先は実力を試されてるかのうように、自分から積極的にコミュニケーションとらないとクラスメートがフェードアウトしていく感覚があった。
恥ずかしがり屋だった私は
案の定、友達ができず、
しょんぼり侘しい気持ちを患いながらも
再び転校の時期を迎える。
幸いありがたいことに最後のほうで仲良くしてくれた子たちもいたが、
私は心を開くことなく取り繕った姿がデフォルト化していたため、お別れが近づいてきた時も
「私たち親友だよね!♡離れててもずっ友だよ〜!!」なんて絆の結晶みたいな言葉は自分事として受け止めきれず、グループの輪の中に言葉だけが一人歩きしてるようだった。
なぜ、心を開くことができなかったのか。
当然のこと、
新しい学校にはすでに仲良しグループがあって、
先生も違えば、学習の進め方も風土も文化も全部違った。
何もかもが初めてで新鮮で楽しいといえばそうなのだが、
人間関係のことになると、寄ってくる子達の期待を裏切りたくないと思っていたのかもしれない。
ファーストインプレッションで
褒められることが多かった記憶もあり、
残念だと思われたくないと幼いながらに気を張っていたんだと思う。
大人になった今でもずっと小学生のときの自分が
心の真髄に息を潜めている感覚がある。
どこか大人になれない、
弱い自分がずっといて、
しがみついて離れない。
仕事をしていても、
躓くと自分が小学生の時を思い出す。
いつもどこかのタイミングで必ず「周りとうまくやっていけない」と悟ってしまうから、
自分の弱さを必死に隠して、
凛々しい自分を演じている。
そんな姿でも褒めてくれたり、
仲良くしてくれる方がいると、
すごく気分が良くて。
この弱さを
隠さずに生きられるようになったらもっと気分がいいと思った。