推しに彼氏ができたときの「もにょ」の正体を探る

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この画像は私の推しアイドル「Luce Twinkle Wink☆」の皆様です。

彼氏持ちアイドル

私の知っているアイドルが、恋愛リアリティ番組に出演し、彼氏が出来ましたー!と報告していた。
私自身その子に特段興味を持っているわけではなかったのでそんなもんかぁ、と思っていたのだが、Twitterを見ていたらショックを受けているファンがまあまあ見受けられた。
正直ちょっとわかる。私もアイドルオタクを5年ほどやっていて、まだ推しがスキャンダルに晒されたことは無いけれど、もしあったら少しもにょっとする気がする。多分応援はやめない。

Twitterで落ち込んでるオタクのところに飛んでいた「本気で付き合えると思ってんの?」というリプライに違和感があったのと、この「もにょ」の正体がわからず本当にもやもやしてきたので、今回はアイドルの恋愛に関して自分なりに考えて行こうと思う。
因みに書いているのは女ですが(恋愛経験がないので何とも言えないけど)多分女の子も普通に好きです。

一旦マジの考察

①ガチ恋/彼女は俺だけのもの勢
オタクは「絶対結婚しようなー」などと叫びがちだし多分沢山の人がこれを想像すると思うのだが、実際本気で推しに恋している人は(私の周りでは)そこまでいないように感じる。でもゼロではない。

②誰かのものにならないで/推しは皆のもの勢
①と混同されがちだけど結構違う(と思っている)。”俺のものじゃないこと”ではなく”誰かのものになってしまったこと”が辛い。もし推しに恋人がいたら、自分と二人の瞬間すらその顔がチラついてしまう気がするから。でも中には”その特定の相手が自分だったとしても嫌”な人もいると思う。

③ガチ恋営業してたら駄目/ビジネスだからこそ勢
アイドルが「本当に好き」などガチ恋するように(擬似恋愛~少し超えたような態度で接する)仕向けオタクを本気にさせて売上を伸ばすような営業の仕方をしているのなら駄目という意見。”ドキドキ”の対価として”お金”を払うビジネスをしているなら真っ当しなさい、という立場である。どうでもいいけど、私は女なのでアイドルにガチ恋営業をかけてもらえたことがなく、それが悔し過ぎて知人に「私はおばさんじゃなくておっさんになりたい」と泣きついたことがある。まじでどうでもいい。

④ルールがあるなら駄目/所属事務所次第勢
所属事務所が禁止してるなら恋愛そのものより”ルールを破った”ことが問題だよね、という意見。確かにアイドルの恋愛禁止はAKB48から始まったとも聞くのでいつの間にか常識っぽくなってしまった類の話ではあるのだろうなと思っているのだけど、恋愛禁止も(ある種理不尽な)校則に近い感じなのだろうか。

⑤俺はお金で夢を買ってる/夢に真剣になれ勢
俺は金と時間を払ってあなたたちの夢を応援しているのだからあなたたちも余所見しないでアイドル活動に本気になってくださいよ、真剣になってくださいよ、という意見。 恋愛をしていることよりも売れることとか夢を叶えることだけに真剣になれていない推しが嫌。絶対アイドルには説教しちゃ駄目だぞ。

⑥アイドルは理想の女の子/処女信仰勢
多分一定数いるような気がする。歌って踊って夢を見せてくれるアイドルではなく、理想の女の子像自体を求めている。その理想が恋愛経験が薄いこと、または処女だと恋愛が表沙汰になったとき(他のタイプとは違う意味で)裏切られた気持ちになるのだろう。

他にも思いついたが「いつの間にかお父さん気分勢」はお父さんの気持ちがどうしてもわからず(お父さんごめん)、「バレたらアウトだけど勢」は結局上6つのどれかに行き着く感じがするので端折った(「アイドルなら当たり前勢」は個人的に理解が追いつかないので書けなかった)。

現代 アイドル哲学/オタク哲学

今、アイドルはどんどん近い存在になっている。
SNSで自らいろんな姿を発信してくれるし、ライブに行けば握手ができてツーショット写真も撮ることができる。好きな子が自分のことを覚えていてくれて、お金を積めばそれだけ長く話ができる。
握手会だって最初は、ステージで見るしか無かった雲の上の存在にどうにかして一目会いたい、自分の想いを伝えたいという場所だったはずだ。
そういう意味でのアイドルは、もう殆ど存在しないのかもしれない。

正直、一人の女の子と話すのに何千円もかかるなんて異常だ。普通じゃ到底成り立たない。
アイドルがくれるのは有償の愛だし有償の夢だ。私たちオタクの心を満たしてくれるのは、いつだって推しにお金と時間をかけた日々だ。

今まで提示されたコンテンツを一方的に受け取るだけしかなかったオタクが、様々な文明や文化の力を借りてまたレスポンスを返せるようになった。
だから、当たり前に欲するようになったのだと思う。それぞれの理想を、それぞれの夢を。
そして求めるものが増えてゆく。もっと安い方が、もっと目を引くほうが、もっと過激な方が。

そうして互いに求め合い、消費し合う構造が出来上がる過程で様々な感情が交錯しただろう。それに恋愛を全く絡めないなんてことが、果たして人間にできただろうか。

ステージで可憐に歌って踊るのがアイドルか。
夢が叶う瞬間を見せてくれるのがアイドルか。
その努力で勇気を与えるのがアイドルか。
その瞬間の楽しさを共有できるのがアイドルか。
理想の女の子を演じてくれるのがアイドルか。
可愛い女の子との疑似恋愛を楽しめるのがアイドルか。

人によって様々だと思うけど、今私がいろいろ考えて言えることは、これからもオタクはずっとオタクで、好き勝手にあれこれ求めてまたお金を払うのだろうから、どうかアイドルの皆様にも好きなようにしてほしい、ということだ。

散々書いても私がもにょる理由はあまりわからなかった。結局どれだけ考えても、自分でも理解不能なオタク哲学は既に私の根本に染みついてしまっている。
多分他のオタクもそういう人が多いのではないかと思う。どんな思想かに関わらず、何となく、でも確固たる自分本位のオタク論を持っている。そんな何となく哲学の的にならざるを得ないアイドルだからこそ、その子にもその子自身のアイドル哲学を貫いてほしいと思ってしまう。

最後に

今はオンラインでチェキ会や無観客ライブをやっているアイドルも多い。あの子の笑顔がまた見たい、ライブに行きたい、が誰かにとって世界が晴れてほしい理由になるのだから、それだけで誰が何と言おうとやっぱりアイドルは素晴らしい。

見せたい側面だけをめいっぱい世界にして、有限の未来と無限の夢をまた愛させてください。今日も推しが大好きです。絶対結婚しような。

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