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ハウツー本には書いてない、ミニマムな起業の具体的な方法論:前編

今年1月に前職を辞め、つい先日法人を立ち上げて起業した。
法人向け携帯の営業代行をメインとする会社である。
社員は自分だけ、個人事業主に毛が生えたようなものだ。
規模こそ小さいが、人に従うだけの働き方が嫌で独立した。

まだ業務を開始出来ていないし、売上が立つか不安で仕方ない。
でもやれるだけの準備はしたし、これからも走りながら考えるつもりだ。

この記事を書くのは、世の中の起業に関する本が抽象的すぎるからだ。
起業するために何をすれば良いのか知りたかった私にとっては、
ほとんど役に立たない本ばかりだった。
私のように、漠然と起業を目指す人の参考になればと考えている。

この記事は備忘録でもあるので、読みづらいかも知れない。
それでも読んでくれる方がいるなら、その点はお許し願いたい。

これまで私は、起業に関する本をたくさん読んだ。
起業を成功させた人が、読めと言った自己啓発も読んだ。
その中に、自分が起業するために必要な情報があると思ったからだ。

だが、具体的に「どうすれば起業出来るのか」を書いている本はなかった。
もしかしたら私の勉強が足りないだけかも知れないが。

「経営理念が大事だ!」と言われて何となくアツい気持ちになったり、
「誠意があれば成功できる!」とあるので正直に暮らしてみたりした。
確かにいいことは書いてあったが、それで起業はできなかった。

前編では、起業するための具体的な手順を示す。
後編では、社長に絶対に必要なスキルを書いていく。
これは、私が起業を志した2013年頃から勉強し続けたことの集大成だ。
抽象的な起業論や自己啓発よりも、きっと役に立つと思う。

起業するための具体的な手順:4ステップ

起業とはどうしたら出来るものなのか。
方法について論じる前に、そもそも「起業」とは何かを定義しておく。

形式的な定義としては、「法務局に届出をして法人を設立する」ことだ。
だいたい30万円くらいで、税理士事務所などが代わりにやってくれる。
これは誰だって出来る。

この記事で論ずる「起業」とは、
「社長として、自身が生活できる給料をもらえる会社を作る」ことだ。

会社を作ったって、赤字続きで給料がもらえないのでは意味がない。
そもそもそんな会社はすぐにつぶれる。
どうすれば、自分が生活できる会社を作れるのかを考えていく。

①「何を売るのか」を考える

売るものがなければ起業はできない。
売上がなければ利益もなく、利益がなければ給料もない。

大半の起業に関する本は、この手順をすっ飛ばしている。
顧客に誠実であるとか、業務の内容を明確にするとかは、
売るものがあって初めて考えることだ。
だから、何を売って利益を出すのかを最初に考えないといけない。

ちなみに、売り物は必ずしも自分で作る必要はない。
既にある製品やサービスを、仕入れて売ることもできる。
もしくは、仕入れをせずに「仲介」だけする方法もある。

私は、この「仲介」をメインに起業することにした。
つまりは「営業代行」の会社になる。

売るものは、おおもとの企業が売っている商品(携帯)である。
私の会社でやるのは、その商品が欲しい人を探して紹介することだ。
無事に契約されれば、紹介の手数料が発生する。

前々職の話だが、私は生命保険の営業マンをしていた。
しかも飛び込み営業。会ったことも無い人の家にいきなり行って、
いきなり営業をするという、ちょっと正気とは思えない仕事だ。

その経験があって、たいていの営業は苦にならない。
だったら、私はこの「営業のスキル」を売ろうと思ったのだ。
ただし営業のセミナーが出来るほどではないので、
既に出来上がっている商品を売ることを選んだ。

②「本当に売れるのか」を考える

売るものが決まったら、その商品が本当に売れるのかを検証する。
誰も欲しがらないものを売ってても、利益を出すことは出来ない。

これについては、既存の数字をもとに考える。
法人向け携帯であれば、現在も市場は少しずつ拡大している。
つまり、まだまだ需要のある商品であると判断した。

市場の規模や今後の見通し、誰に売るのかといったペルソナの設定、
それらの要素を総合的に見て、本当に売れるのかを考える。
リサーチの能力と、数字の分析力が求められる。

③「利益が出るか」を考える

売るものが決まって、売れる予想もできた。
そこで考えるべきは、その商品を売って利益が出るのかということだ。

当然だが、売値よりも仕入値の方が高ければマイナスになる。
利益の出る値段で売れるのか、相場はどれくらいなのか、
念入りにチェックが必要だ。

私の場合、特に仕入れは発生しない。
契約してもらえれば、手数料が入るだけだ。
だから、どう転んでも大きな赤字にはならない。
営業代行を選んだのは、これが理由でもある。

④「自分が売れるのか」を考える

いきなり何人も雇えるなら良いが、よほどの資金がないと厳しい。
必然的に、社長自身が営業をすることになる。

もちろん営業代行の会社を使っても良いのだが、
売ってもらうためには商品の長所をアピールしないといけない。

自分が売る自信の無いものについては、立ち上げの段階では売れない。
会社の規模が大きくなったら、その商品が得意な営業マンを雇えばいい。

すべてクリア出来たら、粛々と準備を進める

4つのステップをクリアしたら、開業に向けて準備を進めるだけである。
細かい説明は省くが、準備とは「すぐに売れる状態」を整えることである。

ちなみに私は、事情があって準備の整わないうちに会社を立ち上げた。
設立は済んだが、まだ販売が開始できないのだ。
とは言え、口座の開設やホームページの作成など雑務が多々あるので、
ちょうど良く準備の時間ができたと思っている。

いつでも売れるぞ!という準備が整えば、あとは法人を設立するだけ。
簡単でしょう?

世の中の起業本は、無駄に難しく書きすぎだと思う。
結局この4つのステップを踏んでいれば、まともな起業はできる。

それなのに、ビジョンがどうとか社会貢献がどうとか、
そんなものは利益が出てから考えることではないのか。
「衣食足りて礼節を知る」とは良く言ったものである。

後編はコチラ(クリックで記事に飛びます)

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