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2016年 小学生部門 最優秀賞「マジック・ツリーハウス」シリーズ

受賞者
内山 満里菜さん(小6)

読んだ本
「マジック・ツリーハウス」シリーズ全巻 メアリー・ポープ・オズボーン作 食野雅子訳 メディアファクトリー

作品
「Books give big dream and hope to children」~世界の子どもたちをつなぐ魔法~

 今、わたしの目の前には、数えきれない程、沢山の本があります。冒険、歴史、そして、ファンタジー。本は、私が知らない世界を教えてくれます。
 とはいっても、本は話すことはできません。しかし、私には、本の声が聴こえるのです。本を読んでいると、心の中に語りかけてくれるのです。
 たくさんの本の中から私がおすすめしたいのは、メアリー・ポープ・オズボーンさんの『マジック・ツリーハウス』シリーズです。
 物語の主人公は、ジャックと、アニーの兄妹です。ジャックは、見たこと、聞いたことをすぐにメモをするクセがあります。このクセのおかげで、歴史上の出来事を、詳しく覚えることができます。妹のアニーは、元気いっぱいな女の子です。冒険が大好きで、いつも前向きです。そして、動物ととても仲良しです。どんなピンチも、アニーの勇気と、優しさで切り抜けることができます。
 そして、魔法使いのモーガンルーフェイです。彼女は、歴史上おきた様々な事件や問題を解決するために、優れた本を集めています。そして、歴史を紐解くために、アニーとジャックに危険な冒険をさせることもあります。しかし、ジャックもアニーも、冒険をやめることはありません。それは、悪い魔法をかけられてしまったモーガンを救うためです。しかし、それだけではありません。好奇心旺盛な二人は、本でしか知ることのできない世界中の色々な時代の謎を知りたくてたまらないのです。そして、その気持は、世界中の知りたがり屋の子どもたち、みんなも同じ気持だと思います。マジック・ツリーハウスは、そんな私達の願いを叶えてくれる本なのです。
 作者のオズボーンさんは、世界各国を旅した後、子どもたちの本を書く作家になりました。オズボーンさんが世界各国を旅して、感じたことをもとに物語を描いていると思います。だから、ファンタジーだけれど、とてもリアルで説得力があるのだと思います。きっと、オズボーンさんも、ジャックのように、出会った人々が話してくれたことや、本を読んで得た知識を、全てメモしていたに違いありません。そして、アニーのように空想する力があったから、旅で得た知識をもとに、たくさんの物語を書くことができたのでしょう。
 マジック・ツリーハウスは、歴史を学ぶ大切さを子どもたちに教えてくれます。私は、この本と出会うまで、歴史の勉強は好きではありませんでした。沢山の歴史上の人物、沢山の事件を年表通りに覚えなければならないからです。それが何の役に立つのか疑問でした。しかし、マジック・ツリーハウスには、歴史上の人々の思いが物語の中に込められています。偉大な歴史上の人物が、本当は悩み苦しんでいる姿が描かれているのを読んで、歴史上の出来事が、遠い過去のものではなく、自分たちが今、抱えている悩みや苦しみと同じなのだと感じました。
 一番心に残った人物は、アメリカの南北戦争で、多くの人の命を救った、クララ・バートンです。彼女は自分の命の危険も省みず、戦場で傷ついた兵士達を助けに向かいました。そして、平和のための活動を世界に広めるために赤十字を創立します。
 日本は、第二次世界大戦から七〇年間、戦争はしていません。しかし、世界では、今でも戦争やテロが起きていて、多くの人々が、巻沿いとなり命を奪われています。
 クララ・バートンさんの優しさと、人々を救いたいという強い思いを今、たくさんの人が持てたらどんなにいいだろうと私は、心から思いました。そして、もしも、世界中の子どもたちが、マジック・ツリーハウスを読んだら、戦争をしている国同士の子どもたちが読んでいたらどうなるでしょう。きっと同じ思いを抱き、話し合うことができるようになるはずです。そして、平和な世界を作る輪が広がっていくと私は思います。
 きっと、オズボーンさんも、子どもたちに争いのない世界を、力を合わせて作ってほしいと願って物語を書き続けていると思います。
 オズボーンさんの思いが、本を通して私の心に伝わってきました。
 実は、私がマジック・ツリーハウスを読み始めたのは、友人が、面白い本だからと学級文庫に寄付をしてくれたのがきっかけでした。
 私も、この本をもっとクラスの友達に読んでもらいたいと思い、ジャックとアニーが旅をした場所を記した地図と、本の内容が簡単に分かるように要約本を作りました。
 本は、いつでも、どこでも私達の友であり、平和な未来を作りたいと願う者の味方です。
「Books give big dream and hope to children」
 本は、子どもたちに夢と希望を与えると、私は、信じています。

(注:「要約本」の写真は一部分のみ掲載しています。――読書探偵作文コンクール事務局)

受賞のことば
 私は、このコンクールに4年生で初めて参加しました。4年生で優秀賞、5年生ではニャーロウ賞をもらいました。だから、今回、最優秀賞という知らせを聞いて、飛び上がるほど嬉しかったです。家族全員で喜びました。読書探偵コンクールは、6年生までの参加なので、全部の賞をもらえてよかったなと思いました。これからも、たくさんのお話を書いて、たくさんの人に喜んでもらうのが私の夢です。

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(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。――読書探偵作文コンクール事務局)

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▼本の購入はぜひお近くの書店で。お近くに書店がない場合はお好きなオンライン書店からどうぞ。

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