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2016年 小学生部門 最優秀賞『グレイ・ラビットのおはなし』

受賞者
盛永 維さん(小3)

読んだ本
『グレイ・ラビットのおはなし』 アリソン・アトリー作 石井桃子/中川李枝子訳 岩波書店

作品
グレイ・ラビットに出てくる草花
もりなが ゆい

 わたしが、この本をえらんだきっかけは、前に同じ作者の「こぎつねルーファスのぼうけん」という本を読んで動物たちのやりとりの様子がおもしろかったので、この本をえらびました。作者のアリソン・アトリーは、イギリス生まれで、小さいころ森の中に住んでいたので、森の中で出合う小さな動物たちはアリソンの友だちでした。この本の中に出てくるウサギのグレイ・ラビットやリスのスキレル、野ウサギのヘアもアリソンの友だちをモデルに作られたお話だと思います。
 この本を読んでいくと、知らない植物がたくさん出てきたので、その中のいくつかを調べてみました。調べた植物は、スイカズラ、ラシャガキソウ、プリムローズ、キランソウの四つです。まず、始めにスイカズラです。これはグレイ・ラビットの朝ごはんの時に、ジャムで出てきます。わたしは、名前に「スイカ」と出ているからスイカのようなものだと思いました。じっさいに調べてみると、実は黒くて、黄色や白い花を咲かせ、甘いはちみつをもった花でした。また、薬に使われることが分かりました。そうぞうとまったくちがったのでびっくりしました。
 次は、ラシャガキソウです。これは、スキレルのしっぽにかけるブラシで出てきます。わたしはブラシに使われているから、とげとげしていると思いました。調べてみるとハリネズミのようなかたいとげのたくさんある実がなります。また、その実を使いおりものをけばだたせる起毛に使われます。
そして、プリムローズです。これは、ヘアがかぜをひいた時にかぜにきくおさけで登場します。わたしは、のみものに使われているから、少しあまい味がすると思っていました。じっさいに調べてみるとサクラソウ科の植物で本当にかぜ薬に使われていることが分かりました。また、薬になっているならわたしもかぜをひいた時に飲んでみたいです。
 さいごに、キランソウです。ヒキガエルにプレゼンドをとどける時に登場します。わたしは、名前に「キラン」と出ているからキラキラしていると思いました。調べてみると、いろいろなびょうきにきく薬で、地面にはりつくように広がることからジゴクノカマノフタといわれています。また、いろいろなびょうきにきくのでジゴクのカマにフタをすることからもこういわれています。初めにそうぞうしていたよりも、どんよりした意味のものにたとえられていてすこしがっかりしました。
 このように、作者は植物や動物になぜくわしいのか、理由を考えてみました。わたしは、作者が森に住んでいて動物や植物とふれあうことが多かったからだと思います。そうしているうちに、植物や動物にきょうみをもって、わたしと同じように調べたのかもしれないと思いました。もしかしたら、おばあちゃんやおじいちゃんに教えてもらったのかもしれません。
 このお話の中では、グレイ・ラビットやいろいろな動物たちが、イタチにつかまりそうになってしまったり、フクロウにしっぽをとられてしまったりながらも、人間と同じように力を合わせ、問題をかいけつしていきます。だから、わたしもつらいことやかなしいことがあってものりこえてほしいと思って作者はこの本を書いたと思います。
 この本には、まだたくさんの知らない植物が出てくるので調べていきたいです。

受賞のことば
 今回、わたしの作文が最優秀賞にえらばれた事は、まだ信じられません。わたしがこの作文で大事にしたところは、作者の気持ちになって考えるということです。作者のアリソン・アトリーは、小さいころから大自然の中で育っていて、わたしとはまったくちがい、自然や動物への思いもあまりよく分かりませんでした。だから、いろいろな植物のことを調べてみることにしました。今回は本当にありがとうございました。

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(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。――読書探偵作文コンクール事務局)

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