「風邪の効用」と「グリーフケア(喪失による悲しみと関わる)」

グリーフケアを考えるにあたり、野口整体の創始者で野口晴哉という人が書いた「風邪の効用」という本を紹介したいと思います。
読んだのはかなり前でつたない記憶ですが^^;

身体は「強張り」によって調子が悪くなる、と書かれていました。
風邪はその「強張り」を「緩ませ」て体調を整えてくれる訪れるべくして訪れるもの。だから風邪(による発熱など)を無理に止めてはいけない。
風邪を上手く通過させなくてはならない。
上手く通過させれば身体は緩み、整うばかりか、さらによい状態になっていき、やがて風邪もひかなくなる、といったことが書かれていたと思います。

直前のnoteのグリーフケアで、グリーフ(喪失による悲嘆)を「解決する」とも「回避する」ともせずに「通過する」と書いたのは、「風邪の効用」で書かれている「通過させる」ということに納得し記憶に刻まれているからです。
おそらくグリーフも、なんらかのロスによる身体の強張りが生じ、上手に通過させることで強張りが緩み以前よりもよい状態になる、としたいと希望がらみで考えました。
「身体の強張り」としましたが「精神の強張り」と言えるのかもしれませんね。

ただご存知のように風邪には「こじらせる」とか「万病のもと」という表現がありますね。上手く通過させれればいいのですが、下手すればこじらせてさらに重篤になる可能性もある。これが怖いために、はやめのパブロン♪となるのかもしれません。
「風邪の効用」では風邪を上手く通過させるための指南がされていたと思うのですが、残念ながら思い出せません^^;
でもポイントは風邪をひいた本人ではなく、整体師という他者が指南しているというところだと思います。しかも身体を識りつくした野口晴哉がわざわざ本に著すほどのことなんです。そんな他者によるケアなんです。
なので、そうか風邪は通過させればいいんだな、と放置したり自己流で通過させようとしても上手くいくかどうかは分かりません。
そもそも風邪で苦しんでいる本人の意識がそんなとこまで気が回るか疑問です。

グリーフも同じだと考えました。
つまりグリーフも上手く通過させれば以前よりよい状態に成長できる。
でもこじらせれば、酷い状態になるかもしれない。
本人によって上手く通過させれればいいのだけど、やはり他者の関わりが必要に違いない。
なのでグリーフケアということがあり、他者の関わりが必要ではないのだろうか、と考えました。

グリーフの有無や深い浅いは人によって違うのでケアの仕方もいろいろかもしれません。
けれどグリーフは止めたりこじらせないで上手に通過させたほうがいいということは間違ってないような気がしています。
もしかししたら風邪やグリーフだけでなく多くのことに当てはまるかもしれません。
たとえばストレスで精神に凝りが生じ身体に悪く表出するってことも、上手く通過させるのがいいのかもしれません。


※11.12 身体の「凝り」を身体の「強張り」に変更しました。

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