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「私の一番好きな絵本」…現役保育士56人にききました

 ほんと童話やらファンタジーがよくわからない、と自覚しながら他所様の創作童話に感想をコメントしてしまう行儀の悪さに自分でも呆れてしまう。
 ってなことを反省しながら、大昔もそんなことがあったなぁ、とブログ記事を思い出したので、またしてもサルベージ。

 子どもの保育園時代に(父母会の)怪鳥通信を書いていたのだが、そのネタとして表題のアンケートを実施したんだけど、、、、というエントリー。
 もとのブログ記事が2007年3月で、そこには1年8ヶ月前と書いているので、今から17年と数ヶ月前のアンケートとなり、今の絵本事情とは違うかもしれないことはお断りしておきます。
 当然ながら、アンケートにお答えいただいた保育士さんが今もまだ現役かどうかは、しるよしもありません。

(以下、「毒多の戯言」2007.3.18よりサルベージ)


 まあつまりなんだ、単に興味本位でプロである保育士はどんな「絵本」が好きなのかを聞き、子どもの絵本を買うときの参考にでもなればと思ったのが間違いだった。どうせ、数十人かの保育士さんにきけば、数冊に絞られランキング形式で紹介できるだろうと考えていたのだが、大甘も大アマ…哀しいほど「一番好きな絵本」が分散して収拾がつかなくなった。今回このアンケート収集に協力してくれたS保育士には「そうなると思った」と言われた。星の数ほど作品があり、保育士それぞれの感性が違うからという理由だった。おかげで結果を一覧にするのに死ぬ程苦労することになる。とはいってもアンケートの協力に応えてくれた、I保育士、N保育士、S保育士をはじめ、答えていただいた56人の保育士さんには心から感謝するとともに、企画が失敗したことを告白しておこう。ありがとう、すみません。この通信にて結果報告としますのでご堪忍、ご了承ください。
 そうはいってもせっかく聞いたのだから、保育士さんが好きだという絵本を読むことにした。……まずは、身近にあるこの絵本からっ、と、、、はー?何これ?何が面白いの?「三びきのやぎのがらがらどん」。谷に妖怪風の妖精「トロル」がいる。小さいヤギから順に山にある草を食べるため、その谷を越えていくのだが、谷を越えるときトロルに食べられそうになった一番小さなヤギが「次にくるヤギの方が大きよ」とトロルに中ヤギを売り、2番目のヤギが同様に大ヤギを売る。三番目の一番大きなヤギが、逆にトロルを食べてしまうという内容だ。はっきりいって「???」が山下洋輔のボレロの音符ように脳内で乱舞している。で、あるとき機会があったので、保育園の園長にきいてみた。
 「絵本っておもしろですか、読み聞かせで子どもの反応が面白いとかじゃなくて、自分が本心より面白いかどうかって意味で、……私は面白くないのですが……」。園長に聞くまえに何人かの保育士さんに聞いていて、『子どもの反応が』という視点で『絵本は面白い題材』と言われたり、『是非若い保育士さんに読んで欲しい(そらまめくんのベッド)』という絵本の効用を聞いた。ワタシにしても、例えば「とべばった」が子どもにどう伝わるかという意味では面白いと思うのだが、そうでなく、取り敢えず『己が純粋に絵本がおもしろいか』どうかを聞く事にした。すると、
「えっ、絵本がおもしろくないって? なんで?」不思議な生き物をみる目で見られてしまった。
「たとえば、三匹のやぎのがらがらどん…、なんて面白いですか? 全然、面白くない上に何が言いたいかも解らないんです」まじめに正直にストレートに聞いてみた。
「それは読み込んでないからね、感情移入ってのがあるでしょ」はあ、感情移入ですか??? 感情移入ったってあんた、何に感情移入するのさ。
「たとえば、そのがらがらどんの…だんだん大きなヤギになっていく時、それぞれのヤギの立場にたって、……」仲間を売るヤギかよ。
「……よんでみるとか、ほら、なんか面白いでしょ?」ほら、なんかおもしろいでしょ?と言われてもな。
「それとか、妖精のトロルが何故そこにいるのか想像してみるとか…?」
 山下洋輔のひじ打ちが後頭部に直撃したような軽い脳震盪を覚える。ここでタイムアップになってしまったが、どうやら園長は本当におもしろいと感じているようだ。そしてたぶん園長は、面白くないという私の感性が面白くない、と思っているにちがいない。
 まずい、まずいぞ、ワタシは面白くない人間だったのか? 悔しいので『努力』して「三匹ヤギの…」を面白く読める大人になろうとギャグのような行為をしているうち、妖精「トロル」からジブリの宮崎がインスピレーションを感じ「トトロ」を思いついた、という記事にあたった。つまりはだ、あの『世界の宮崎(笑)』も「三匹ヤギの……」を面白いと感じたと判断できる。ところが残念なことにワタシはジブリの映画が世間がさわぐほど面白いとは思えないのである。ジブリどころか「ハリポタ」や「ロードオブザリング」なども駄目だ。完全に道を断たれた。絶望的である。(とは言っても、絵本を読むことは全くないが、ジブリは新作がレンタルされれば一応観ている。ロード・オブ・ザ・リングは最後までみたが、ハリポタはシリーズ途中でくじけた。)
 みなさんは、心の底から純粋に雑念なく体裁でなく点数稼ぎでなく、まぎれもなく「絵本」は面白いと思いますか?

ということで、さて

パンパカパーン、結果発表!!



と言っても、最多得票数が3票である。わざとじゃない?(笑)

得票数:3

バムとケロシリーズ/島田ゆか著/文渓堂
そらいろのたね/A. Nishi著/ラボ教育センター

得票数:2

ぐりとぐらシリーズ/なかがわ りえこ /福音館書店
おしいれのぼうけん/吉田足日著/田畑精一/童心社
めっきらもっきらどおんどん/長谷川摂子/福音館書店
とべばった/田島征三 /偕成社

得票数:1

三びきのやぎのがらがらどん/Mブラウン著/福音館書店
ともだちや/内田鱗太郎著,隣矢なな/偕成社
こぐまちゃんシリーズ/わかやまけん著/こぐま社
おんなじおんなじ/多田ひろし著/こぐま社
ぞうさんのさんぽ/なかのひろたか著/福音館書店
スイミー/レオ・レオニ著谷川俊太郎著/好学社
かみさまからのおくりもの/ひぐちみちこ/こぐま社
おでかけのまえに/筒井頼子/林 明子/福音館書店
コロワンシリーズ/間所ひさこ/ひさかたチャイルド
まゆとおに/富安陽子/降矢なな/福音館書店
おふろだいすき/松岡享子/林明子/福音館書店
花さき山/斎藤隆介/滝平二郎/岩崎書店
だるまちゃんとてんぐちゃん/加古里子/福音館書店
あかたろうシリーズ/きたやまようこ著/偕成社
ミッフィーシリーズ/ディック ブルーナ/講談社
おばけてんぷら/せなけいこ/童心社
カラスのパンやさん/加古 里子/講談社
ないた赤おに/浜田広介 いもとようこ/白泉社
こぶとりじいさん
もちもちの木/斎藤隆介 滝平二郎/岩崎書店他
あめがやんだら/林 明子
しろいうさぎとくろいうさぎ/Gウイリアムズ/福音館書店
つきよ スピカのおはなしえほん/長新太/教育劇画
ノンタン シリーズ/おおともやすおみ偕成社
もっちゃうもっちちゃうもっちゃう/おおともやすおみ/偕成社
わたしのワンピース/にしきまきかやこ著/こぐま社
うみのおんがくたい/不明著/不明
こんとあき/林明子著/福音館書店
おたまじゃくしの101ちゃん/加古里子著/偕成社
ぼちぼちいこか/マイクセイラー著/偕成社
ラチとライオン/マークベロニカ著/福音館書店
おかあさんがおかあさんになったひ/長野ヒデ子著/童心社
はらぺこあおむし/エリック・カール/偕成社
すてきな三にんぐみ/トミーアンゲラー著/偕成社社
100万回生きたねこ/佐野洋子著/講談社/1977.1
だってだってのおばあちゃん/さのようこ著/フルーベル館
そらまめくんのベッド/なかやみわ著//福音館書店
もこもこもこ/谷川俊太郎著/文研出版
ともだちいっぱい/新沢としひこ著/ひかりのくに
どうぶつえんガイド/あべ弘士著/福音館書店
あらしのよるに/木村裕一・あべ弘士/講談社
ピーマン村の絵本たち中川ひろたか著/講談社
ぐるんぱのようちえん/西内ミナミ著/福音館書店



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