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10限目:地方の大学生向けの講義(佐藤優の速読術、読書の技法)

桐島です。本日は、前回の立花隆さんに続き、知の巨人と言われている佐藤優さんの速読術を紹介します。紹介するのは以下の本です。

佐藤本は、大量に出版され過ぎていて、読書関連の本も複数冊出版されていますが、初期の書籍であること本が一番網羅的でまとまりが良いです。

その他は、この内容を簡単にまとめたコピー本の類なので注意が必要です。

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佐藤さんは、速読を「超速読術」と「普通の速読」に分けています。

「1.超速読術」と「2.普通の速読」

1.超速読=5分程度で書籍を読む、試し読み。書籍を以下の4つのカテゴリーに分けることが目的。
①熟読の必要があるもの
②普通の速読の対象にして、読書ノートを作るもの
③普通の速読の対象にするが、読書ノートを作らないもの
④超速読にとどめるもの

超速読が、前回の立花隆さんも実践していた、読むべき本を見極める作業だと、ピンときた人は流石です。正解です。

2.普通の速読=400ページ程度の一般書や学術書を30分程度で読む技法。その後、30分かけて読書ノートを作成すれば、着実に知識を蓄積することができる。少し訓練を積めば、普通のビジネスパーソンが2~3日かけて行う読書を、わずか1時間程度で行うことができる。

「1.超速読」の2つの目的

まずは、超速読から紹介します。超速読には以下の2つの目的があります。
①「この本が自分にとって有益かどうか」、「時間をかけて読むに値するか本かどうか」の仕分け
②「この本はここの部分だけを読めばいい」、「この箇所を重点的に読めばいい」という当たりをつける

「1.超速読」の手法

 まず準備するのは、本とシャーペンとポストイットである。
 それから、最初のころは横に時計を置き、一冊を超速読するのに5分以上かけないと固く心に誓う。
 まず序文の最初1ページと目次を読み、それ以外はひたすらページをめくる。
 このとき文字を読まない。とにかくページ全体を見るのだ。ビジネス書で強調箇所が太字やゴシック体で書かれている本は、ページ全体を見るに値せず、太字やゴシック体の文字だけを追っていけばよい。図表や資料はおのずと目に飛び込んでくるので、他と同様に扱う。
 原則として、時間がかかるので、一行一行、線は引かない。
 しかし、何か気になる語句や箇所が出てきたら、後でわかるようにシャーペンで大きく丸で囲むなど印をつけ、そのうえでポストイットを貼る。ポストイットを貼るのが面倒ならば、本のページを折る。
 そして、結論部のいちばん最後のページを読む。
 これで本全体の印象をつかむと同時に、その本が自分が読むべき箇所の当たりをつけることができる。

超速読は、自分の本棚に敢えて、「積読本(つんどくぼん)」コーナーを作り、5~6冊たまった頃合いを見て、休みの日に、30分ぐらいで一気に5~6冊を駆け抜けると、何らかの発見がある、とのことです。

なお、超速読は、その本の基礎知識がない場合は、絶対にできないことにも注意が必要です。

「2.普通の速読」の手法

普通の速読は、新聞の読み方と同じです。ざっと見出しを見て当たりをつけ、どれを読んでどれを読まないか判断する。その上で、既存の情報は適度に飛ばし、必要な未知の情報だけを拾い読みする、ものです。

自分の基礎知識の量と質にもよりますが、以下が時間の目安です。
●簡単な新書、ビジネス書、一般書=30分
●自分が通暁している分野の専門書、学術書=2~3時間

トレーニングが必要なので、1日30分、1時間という時間の枠を設けて、1日1冊を目標に、実際には週に2冊のペースで3か月続ければ、必ず効果が出るようです。

普通の速読の手法として、以下の6点が挙がられています。

①「完璧主義」を捨て、目的意識を明確にする
②雑誌の場合は、筆者が誰かで判断する
③定規を当てながら1ページ15秒で読む
④重要箇所はシャーペンで印をつけ、ポストイットを貼る
⑤本の重要部分を1ページ15秒、残りを超速読する
⑥大雑把に理解・記憶し、「インデックス」をつけて整理する

さて、①はどこかで聞いたことがありますね???

そうです。4限で紹介した、フォトリーディングのStep1、2です。

何度も口を酸っぱくして言うように、速読で一番重要なのは、目的意識の明確化!!!です。

それでは、①~⑥の中で一番重要な①「完璧主義」を捨て、目的意識を明確にする、を紹介します。

 普通の速読で最も重要になるのは、繰り返し述べているように基礎知識だが、その次に大切なのは、本の内容を100パーセント理解しようという「完璧主義」を捨てることだ。
 「時間は有限であり希少財である」という大原則を忘れてはいけない。速読はあくまでも熟読する本を精査するための手段にすぎず、熟読できる本の数が限られるからこそ必要となるものだ。速読が熟読よりも効果を挙げることは絶対にない
 その意味では、「もう二度と読まない」という心構えでのぞむことが大切だとも言える。そうした気持ちで取り組まないと、必要な情報が目に飛び込んでこないし、頭にも残らない。いい加減な気持ちで何回も繰り返してしまうと、結局、熟読したのと同じだけの時間がかかってしまうことになる。(P88、89)

さて、みなさん、前回の立花隆さん、今回の佐藤優さん、そして、いままでのフォトリーディングを学んで、気づいたことがあると思います。

それは、「速読術」といえど、色んな手法はあるが、前提条件として、

時間が有限であり、読みたい本も沢山あるなかで、読むべき本に「優先順位を付ける」必要がある。
●優先順位を付けるためには、「目的意識を明確にする」必要がある。
●目的意識を明確にするためには、「ある程度の基礎的な知識の習得が欠かせず、完璧主義を捨てる」必要がある。

ということです。

基礎的な知識は、分野にも寄りますが、中学校や高校の参考書に立ち返れるものは立ち返る。

その必要性が無ければ、大学の有名な入門テキストに頼るべきです(※大学の教授は、自分が書いたテキストを売り込む傾向にありますが、世界である程度読まれている信頼性が高いテキストを読む方がお勧めです)

みなさん、本を読むという行為が段々と楽しくなってきましたね(*´▽`*)

See you soon. 次回は11限目です。


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