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書を持って、旅に出よう!

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旅にいった先で、感じたこと、考えたことを記載します♪
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#一帯一路

㊻Sad Realism of Laos Northern Area(ラオス北部の哀しい現実)/中国人観光客に関するファクトチェック

Boten SEZとカジノがまだ健全なGolden Triangle SEZの違い 2011年以降カジノ停止で廃墟と化したBoten SEZとカジノがまだ健全なGolden Triangle SEZの違いを考えてみます。 Boten SEZのショッピングモールでトイレ休憩していた中国人観光客を乗せたバスとGolden Triangle SEZのカジノにいた中国人観光客の謎の手がかりを見つけました。 GTの中国人は、雲南省から陸路でくるか、飛行機で北部タイに飛んでそこから

㊺ラオス旅/少数民族の暮らしぶり

2018年1月8日にボーテン(Boten)に行った後は、1月9日にムアン・シン(Muang Sing)に行って、朝市で多くの山岳民族と出会い、ラオスの民族の多様性を目の当たりにしました。 少数民族の年配の方はラオス語ができないため、市場で食材を売る時も、身振り手振りのジェスチャーを交えているのを目にして、何とも不思議な気持ちになりました。ラオス語ができない外国人に対してもあまり違和感がないのでしょうね。 朝市後は、アカ族とヤオ族の村を訪ねました。朝市の目の前にあるバス停か

㊹ラオスのススメ/アメリカや日本から学べず、ラオスから学べること

さて、村上春樹さんの質問を冒頭に書きました。 私なりの答えです。 ラオスにくると癒されることが多いです。 夏休みにラオスでリフレッシュできました。そして、冬休みも同様にリフレッシュできました。 よく考えてみると、ラオスで時間を過ごすことで、人間性を取り戻すことができました。 マッサージをして血流が豊かになるとか、情報の荒波から隔絶されて1日中ボーっとして考えごとができるという肉体的な疲労回復や自分の時間を取り戻せることができるだけではありません。 なぜ、ラオスで人

㊸ラオス旅/中国の影響力分析Part3 ムアン・サイ

前回はルアンナムターから見て南西のフアイサーイの近くのゴールデン・トライアングルを特集しましたが、今回はルアンナムターから見て南東にあるムアン・サイで感じた中国の影響力です。 読者のみなさまは、ルアンナムターとムアン・サイ(中国に近い都市)のどちらの都市が中国の影響力が大きいと思いますか? 私は、単純にムアン・サイの方が中国とラオスの国境に近いのでムアン・サイだと思っていました。 しかし、答えはルアンナムターなのです。 現地に在住しているJICAの青年海外協力隊の方に

㊷ラオス旅/中国の影響力分析Part2 ゴールデン・トライアングル

前回の続きです。 2018年1月10日にGolden Trigangle SEZを目指して、ルアンナムター(Luang Namtha)からファイサーイ(Huai Xay)に向かいました。両都市は175㎞の距離があります。 ここで問題です。 朝8時発のバスは何時にファイサーイに到着したでしょうか??? 日本の感覚でいえば、バスの時速を60kmと仮定して3時間後なので11時に到着と答えるでしょう。 しかし、ここはラオス北部、都市間移動は必ず高い山越えをしなければいけないた

㊶ラオス旅/中国の影響力分析Part1 研究テーマ、ボーテン

2018年1月の記事です。 スリランカのコロンボを出発してバンコク経由で、1月7日の夜にラオスのヴィエンチャン入りをしました。 ヴィエンチャンの国際空港には、韓国の仁川からの直行便でヴィエンチャンに到着したばかりの韓国人が溢れかえっていて、市内に行くための空港タクシーの長蛇の列に並ぶこと30分。 最終的には、前に並んでいたラオス人の女性と割り勘して市内に行くことになりました。このラオス人女性は、農業の研究者らしく、オーストラリアでの仕事の帰りだということでした。私から「

㊵スリランカ旅/中国の影響力分析Part4 コロンボ・ポートシティ・プロジェクト1月6日

2018年1月の記事です。 コロンボに戻った1月5 日の翌朝から、コロンボ市内の中国の最大級プロジェクトを見学にいきました。コロンボ・ポートシティ・プロジェクト(通称PCP:Port City Project) です。 本プロジェクトは中国交通建設(通称CHEC:China Communication Construction Com-Engneering Company) がコロンボ港の南側に14億ドルかけて233 ヘクタールの埋め立てと道路及び基本インフラ建設を行うと

㊴スリランカ旅/中国の影響力分析Part3 ハンバントタ港1月5日+ファクトチェック

2018年1月の記事です。 前夜に蚊を1匹も仕留めることができずに停電も体験するという素晴らしい夜を経てからの朝です。ずっと起きていたような状態だったので、朦朧とした意識のまま朝の散歩をすることになりました。以下、大量の写真を掲載しますので、ハンバントタの町(というよりは村)の雰囲気を知っていただければと思います。 中国へのハンバントタ港の99年間の貸与というのがアメリカ、欧州、日本等では脅威と思われていますが、往々にしてあるケースが「地元は、住民に過剰な迷惑がかからなけ

㊳スリランカ旅/中国の影響力分析Part2ハンバントタ港2018年1月4日

2018年1月の記事です。 今回は、いよいよハンバントタ港を取り上げます。 Google衛星マップで以上の赤丸の箇所がハンバントタ港になります。 前々回の復習ですが、ハンバントタ自体はスリランカの南部に位置して、コロンボから250kmほどに位置しています。 自動車で高速を利用しても5時間かかるようです。 西の方にあるMataraという都市からアクセスする人が多いのですが、アクセス経路は以上のようになります。 Bus stop and city centerという場所

㊲スリランカ旅/中国の影響力分析Part1(コロンボ)

2018年1月の記事です。 さて、論文のテーマに一見関係しないドイツ、イギリス、タイを訪れた後に本命のスリランカに滞在しております。『中国のスリランカ、ミャンマー、ラオスに対する影響比較(インフラ開発の視点から)』が研究内容で、夏休みから新たにスリランカを加えたので今回初めての上陸になります。タイのバンコクから3時間半のフライトでコロンボに到着しました。 ハンバントタ(Hambantota) 2018年1月2日夜にコロンボ(Colombo)に到着してから3日ゴール(Ga

⑯ラオスの魅力と喪失No1.(ルアンパバーンから)

2017年6月25日、ラオスのルアンパバーンに4泊5日していました。 以下、その時の回想になります。 ただいま、ラオスのルアンパバーンに4泊5日している最中です。同じ都市に 3泊以上したことは一度も無かったので、少し長過ぎたと反省していますが、ゆっくりと物事を考えるのにラオスは向いていると言えます。 それは、人々があくせくすることなく、時間がゆっくりと流れていると感じるためです。 ラオス専門家の友人@ビエンチャンはラオスを「タイにとってのラオスは関東にとっての東北のよう

⑰ラオスの魅力と喪失No2.(ルアンパバーンから)

前回の続きです。いきなり質問です。 ルアンパバーンのすぐ北を通る中国の高速鉄道をどう評価すべきなのでしょうか? 私たち日本人が、日本人の尺度で考えてしまうと「ラオスの政治家や高官が中国に買収されて民衆の意見を尊重せずにラオスという国を売り渡した。しかも、鉄道の目的はラオスではなくラオスはあくまでも通過地点であり、真の目的はタイやシンガポールと繋がることで、物資や人の輸送を効率化して周辺地域を支配下に置こうとしているため、ラオスの国益にはならない」という結論になるのではない