4人の人生のストーリー(努力、天才、どちらが好きですか。友情と恋愛どちらを取りますか。わくわくしてますか)
ドラマや映画化みたいにならないかなと思い、懸命にストーリーを考え、書きました。
「さぁ、みんな集まってとるよ」と平野校長先生は、カメラをかまえていう。
この学校は、変わっていた。それぞれの固定した生き方を押し付けてくるのではなく、個性を伸ばすという教育。
人は生まれた環境は、選べないが、教育によってのみ、人生の選択肢を変えられるもと、教育されていた。そんななかで、育った四人のお話。
みんな違ってみんないい。
大石隆治(りゅうじ)は、天才肌の人物だった。小学校のころの成績は、常にトップクラス。すべてできた、学校では天才だった。その隆治は、東大にいった。
日本、いや世界を変えるために生きるのだと燃えていた。
一方、石川湊(みなと)は、努力がたの人間だった。好きなものがあると、とことん突き詰める。学校での成績は、たいしてよくはなかったがパソコンをさわるのがスキだった。特に、大きな野望を持っているわけではないが、成長したいと考え、小さなベンチャー企業で働いている。
早川凛香(りんか)は、絵が書くことが大好きだった。時に、自分のセンスや才能に溺れそうになるも、踏みとどまり、美大に進んだ。
横山さえは、平野校長みたいな先生になりたく、教員の免許をとった。
そんな彼らがよく思い出すのが、小学校での教育だった。
みんな違ってみんないい。
隆治は、仕事でコンサルに入ることにした。コンサルの世界は、膨大な数の量の情報を処理する。日本語、英語にわたっても、データや企業情報にしても。
「また、残業か」と上司がいう。
「ええ」と隆治は、答える。
仕事の時間が人生の時間だった。
仕事にかける時間こそが、人生の質をあげると信じていた。
湊は、ベンチャーのなかでも、努力を続けていた。人が書いたプログラムコードを読み解く日々、答えが出そうで出ない日。答えすらも思いつかない日々も続いたが、道は拓けると信じ、続けてきた。
平野校長の言葉が蘇る。
「とことん、好きなことをやってみよう、人生は長いよ」
そう人生は長い、どれだけやっても、終わりそうもない、そういった課題に取り組むのも悪くない。好きであれば、なおさらだ。
凛香は、絵に真正面から取り組んでいた。
絵を見続ける、描く、そして反省する。
どこが足りなくて、魅力的ではなかったか。課題は多い。
さえは、教職免許をとるために、教育実習にきていた。思ったほど、教育の現場は、甘くないと感じる日々だった。しかし、子供たちの成長を見届ける場は、とても刺激的だった。
それぞれがそれぞれの場でベストをこなしていた。
そんな彼らが久しぶりに、会うことになった。
そこから、とんでもない展開になる。
隆治は、提案した。小学校の頃のように、四人で会う機会をふやしたいと。てっとりばやく、住む場所を一緒にするのがいいという意見に落ち着いた。「いいね」とみんなが希望にあふれていた。
「おはよ」と隆治がいう。
「おはよ」と凛香とさえが、出てくる。
今日から、共同生活が始める。
隆治は、実は、さえのことが好きだったのだ。しっかりもので周りのめんどうをよく見ているさえ、女性として魅力を感じていた。一方、凛香は、隆二のことが気になっていた。
「おはよ、みんなはやいね」と湊。
「お前が遅いんだよ」と隆治。
「仕事が長引いていて、面白くなってきたところ」
「私も、今、面白くなってきたところ」と凛香。
「そうなの、凛香」と湊は、うれしそう。
湊は、凛香のことが、好きだった。
隆治がさえが好きで、湊は、凛香が好き、凛香は、隆治が好きで。
残るさえは、なんと湊が好きなのだった。
恋は、スクランブルだった。
隆治は、仕事をコンサルに選んだことは後悔はなかった。
自分のできることと得意なことに、突き進んでいる。
しかし、こころの奥底に何かひっかかっていた。
湊は、没頭していた。プログラムコード解読に、世界を変える開発に。
凛香は、もがいていた。絵は、うまくなるが、なにかしらの実績がほしい。
さえは、教育の理想と現実に思い悩んでいた。
それぞれがためいきをつく。
「何々、相談しあおうよ」と湊。
「自分の仕事は、できることを選んだつもりだが、何かひっかかるんだ、最近、スランプかな」と隆治は、珍しく弱気な発言をした。
「へぇ、あの自信の塊の隆治がへこむんだ」と凛香は、いった。
意外だった。天才で、学校の成績でも、学歴でも何も不自由しなかった人が、悩んでいる。
「燃え尽き症候群かな」と隆治が、ふっと笑う。
「そんなことないよ」とさえがフォローする。
さえは、いつもみんなを心配してくれる。やさしいな、と隆治は思う。だから、好きなのかもな。
「よし、隆治の悩みをまずみんなで話あうことにします」
湊は、どこからかでかいキャンパスノートを持ってきた。
「隆治にとって、大切なものって何?」
「仕事」
「仕事以外は?」
「今、それどころではないよ」
「じゃ、その仕事、わくわくする」
わくわく、久しぶりに聞く言葉だ。
「みなさんのわくわくを探しましょう」と平野校長の笑顔でいった顔が浮かんでくる。
「なつかしいな」
「わくわくかぁ。生きることに精一杯だったな」
「わくわくは、大事だよ」
「みんなわくわくしてる」と湊は、さえと凛香にきく。
「わくわくしているよ」とそれぞれ答える。
「何か大切な物を見失っていたようだな」と隆治は、気づく。
「よし、隆治の課題はわくわく探しだね」
キャンバスノートには、わくわくをどう探すかについて議論がすすめられた。
「次は、そうだな。さえちゃんいってみようか」
「え、私」
さえは、学校での出来事を振り返っていた。
やはり、昔と今は、子供の考え方は違うのだろうか。
平野校長のときみたいに、みんなのわくわくを探そうという教育は、会わないのかな。
そんな壁にぶつかっていた。
「今の子供たちの気持ちが読めないよ」とさえは、愚痴る。
「それは、あきらめ?」と湊が聴く。
「あきらめてはないよ。でも、うまくいかないんだ」
子供のころは、わかっていた、わくわくな気持ち、友達の気持ち。
わかってくれる平野校長の気持ちや思い。学校の雰囲気。
それが好きで、学校の先生になりたいと思ってたのに。
「さえの課題は、わかったね。自分の想いと子供たちのおもいを重ねていくこと」
「よし、じゃ、平野校長に会いにいこう、みんなで」と湊が提案した。
ノートには、平野校長に会いに行くと書かれた。
これは、みんなの人生問題解決ノートだからねと湊がいう。
タイトルもつけられた。もう、やるしかないな。
そう、隆治も心を決めた。
「次は、凛香の悩みにいってみようか」
「私は、美大にいっているんだけど、美術で食べていくのって、難しいのよね」
才能と仕事ってイコールではない世界、そんな悩みだった。
「いい絵が描けたら、いいよ。うれしいし、楽しい。わくわくする。でも、それと収入は比例しないの」
彼らは、それぞれ、人生でベストを尽くしている。でも、うまくいかないことも多い。
「わくわくがあるのはいいことだね、あとは、お金かぁ」と湊はいう。凛香の才能とセンスを信じていた。
凛香の絵を小学校のときに見て以来、自分にない世界感を持っている凛香が気になっていた。これは、好きという感情なのかな。尊敬と好きの入り交じり。
隆治の提案にのったのも、凛香と会う機会をふやしてみたかったからだ。「お金って難しいよね、あればあるだけ困らないけど、あるところには集まり、そうではないところには、来ない。なんでだろう」
「凛香の課題は、やはり、絵を売ることだろうね」と隆治が分析する。
「問題は、そこだね」
どう売るか、それが課題だった。
ノートには、絵の販売戦略と書いた。
最後は、湊か。
「俺は、時間が足りない」
「わくわくも実行して、コードもある程度、書けるようになったが、上には上がいるんだ」
ぞっとするよ、その奥行の深さに。
「時間か。現代の人が抱えている悩みね」
「なんとか、仕事の時間と仕事以外でも、勉強している」
でも、ブレイクスルーがなかなか来ない。
「才能ないのかなって不安になるよ」
わくわくしていても、そういった悩みもあるのかと隆治は思った。
それぞれが悩みを持っている、それは成長したいという現れ。
これをどう昇華させるか。
ノートには、時間と書かれた。
わくわく、平野校長に会いに行く、絵の販売戦略、時間
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