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2021年12月の記事一覧
報復を望まないーミニ読書感想「最期の審判」(ロバート・ベイリーさん)
弁護士マクマートリー4部作の最終巻、「最後の審判」を読んだ。年の瀬になって今年のベストを更新する勢いの、素晴らしい物語だった。
マクマートリー・シリーズは、これほど面白いのにそれほど話題にはなっていない印象。それがすごくもったいない。だから何回も何回も「このシリーズは最高なんだよ」と訴えていかないとならない。
あらすじでいえば、主人公の弁護士が持ち前のタフさと聡明さを活かし、巨悪を追い詰め、難
この本に出会えてよかった2021
今年も本を読みました。そして「出会えてよかった」と思える本にいくつも出会うことができました。息苦しさや先行きの見えすふなさが、どうにも拭えない一年。それでも、本はそばにいてくれた。足元を照らし、ここではないどこかに、窓を開いてくれた。特に印象深い10冊をまとめました。
1.「悪魔の細菌」
未知の細菌感染症に襲われた夫を救うため、科学者の妻があらゆる手を尽くして治療法を見つけ出すノンフィクション。
何もしないことの可能性-ミニ読書感想「何もしない」
ジェニー・オデルさん著「何もしない」を読んだ。何かをすることばかりを急き立てられる今日において、非常に重要なエッセイだった。
本書における「何もしないこと」は、注意経済(アテンション・エコノミー)にノーを突き付けることだ。SNSのフィードを見ない。いいね!をしない。リツイートしない。我々の関心や感情を「換金」する経済に絡め取られないようにすることだ。
なぜなら注意経済は、我々を「今」に縛り付け