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ただ許されて愛されたいというのは、、、

私は最低な人間で、こんな自分が嫌いだけど、自己憐憫はしないから。

すみれ荘ファミリア 凪良ゆう


一番引かれた登場人物は、美寿々だと思う。

ひどいPMSと生理痛に苦しみ、1ヶ月の半分以上が体調不良の女の子。
私自身、女性ということもあり、生理との向き合い方の正解がいまだに分からない。

ただ男性と比べて、女性は、“自分ではどうにもできない状態”に慣れているんだろうなと思う。

どうしようなく気分が落ち込んだり、理由もなくイライラしたり、そういうコントロールできない感情というのを知っている。

そして、そういうコントロールできない自分と、どうにか折り合いをつけながら生きていくのが現実だと。

自分が生きる力をもらうことが最優先のわがまま人間なの。

友人、恋人、家族。

自分が彼らに求める理想は、本当に人それぞれ違っていいし、距離の取り方だって違っていい。

イケメンと楽しいだけの薄い関係を築いて、それをままならない現実の“ご褒美”にしたっていい。

だけど、そういう薄くて楽しいだけの男女関係を良しとしないのが風潮だ。

なんでか。

ありのままの自分を受け入れてもらいたいって、みんな望んでることじゃない。

きっと美寿々は、人生の早い段階で諦めた。
他人にありのままの自分を受け入れてもらうことを。

でもそれは誰かに批判されることなのか。

私は、青子の方がよっぽど、問題があると思う。

自分を高めるのではなく、低いまま受け入れてもらおうとする。
ただひたすら赦されたい。
ひたすら受け入れられたい。わがままな子供のように。

でた、ありのままの自分。

昔からこの言葉が大嫌いだった。

”の定義を、ありのままの自分を受け入れてもらうことだと考えている人といると、息苦しくなる。

だって、そういう人は大体、ありのままの自分を、まず初めに自分が受け入れていないから。

自分ができないことを、どうして好きな人に強要できるのよ。

愛を語るとき、どうしても傲慢になってしまうのが人間なのかもしれない。

もしかしたら、私が懐疑的なだけかもしれないけれど。

でもありのままの自分とか言ってないで、何を自分は恋人や友人に期待するのか、そっちを考えてみた方がいいのかも。

そんなことを美寿々の生き方で考えさせられました。

Written By あかり

アラサー女

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