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どうしようもない感情は誰の中にもあるのだろうか

自分の中にある感情はどうやって生み出されるのだろうか。
どうしようもない感情をどうして人は抱いてしまうのだろうか。
 
 
ねぇ、もう好きで好きで抑えられないよ。
体の細胞が全部生まれ変わってしまうくらい好き。
どうすればいいか自分でもわからないよ。
 
 
このお話の中で主人公の逢衣は高校生時代にずっと好きだった先輩と
お付き合いをしているところから話は始まる。
そんな逢衣にどうしようもなく惹かれるのは、旅先で出会った彩夏。
感情をあらわにし、逢衣に自分をぶつける彩夏にやがて、
逢衣は化学反応のように惹かれ始める。
 
 
一つの境界線が無くなりかけているだけで、私はこんなにも不安定だ。
たとえそれが、もともと自分で引いた線でなくても。
 
 
必死に自分の中になる感情を押し殺そうとするが、抗えない感情。
憧れの人と付き合い、結婚も意識する仲になっているのに、
それを軽々超えて自分の中に入ってくる彩夏に対する想い。
異性、同性というだけでこれだけ心に葛藤が生まれるものなのか。
駅のホームの黄色い線を足で踏んでいるような
自分の知らない世界に飛び込むというのはそういうことなのかもしれない。
感情を整理しようとすればするほど自覚してしまう感情が存在する。
自分ではどうすることもできない感情が。
 
 
確かに私の瞳の色を変えたのはあなただ。
 
あらたな決意をし、彩夏と一緒になることを決意した逢衣だったが、
戸惑うことも多い。
今までなかった自分の中の常識や自分でもわからない感情。
その場面になってみないとどう自分が感じるのかわからない恐怖と不安。
それでも、彼女から愛され、着実に自分の中の愛を育てていく逢衣。
でも、離れ離れにならなければいけない出来事が起こる。
 
 
諦めないで。私はあなたの瞳の中に棲む。私はずっと其処に居る。
 
 
ずっと待ち続ける逢衣とそれを信じられない彩夏。
お互いが自分だけがこんなにも好きなままで、
相手は気持ちがもう離れていると。
そして、時はいたずらに過ぎ、7年もの年月が過ぎて、二人は再会する。
 
 
7年経った今でも、私はあなたを好きになったこと、微塵も後悔していません。
 
 
自分の中にそう言い切れる想いがあることを私は素直に羨ましいと思った。
自分のなかに眠る純粋な想いを呼び起こしてくれる人に人生で出会える人はどれだけいるのか。
 
 
人生は一度きりだ、誰をどんな風に愛して来たかだけを重要視して生きていきたい。
 
 
戸惑い、葛藤しながらもそれでも周りの自分の大切な人たちを
愛することを優先に生きる。
周りに思われようと自分と周りのひとが理解していればそれでいい。
そんな風にそんなにも強く思えるまでに
どれだけの経験をすればいいのだろうか。
人生は本当に一度きりだ。
毎日を生きる中でそう思う瞬間などそう多くはない。
でも、その毎日の中でも愛すること、人を大切に思えること、
自分の中に眠る感情が突然湧き出てくる瞬間、
誰が居なくても世界は動き続ける。
でも、誰でもこの世にたった一人しかいない存在だ。
そんな自分が心から大切に、愛せる存在に出会えたなら。
それだけで世界は変わって見えてくるものなのだ。
この先自分がどんな人に出会い、どんな感情を抱くのか。
どうしようもない、抑えきれない感情に私は出会ってみたい。
そしてその時に自分の中に起こる化学反応を感じてみたい。
人は感情があるから面白い。
あなたの中にはどうしようもない、抑えきれない感情はありますか?


written  by  なおこ

アラフォー女
 


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