部活動の地域移行は丁寧かつ迅速に進めたい。子どもの未来のために。



自己紹介


私は少年野球の監督をしています。
世の中には「自分の子どもがいるから」、あるいは「(チームに)いたから」という監督さんが過半数じゃないかなと思います。
私は例外の側で、「子どももいなければ、結婚もしていない」のに「監督をしている」変わり者です。
独身監督、略してドクカンを名乗っています(笑)

部活動と働き方改革


さて、昨今、教員の方々の働き方が問題になっています。授業以外の負担が大きいということで、分かりやすい「部活指導」について見直しが進んでいます。
確かに、私が中学生だった約20年前、野球部は毎日練習、土日は試合で、当時はそれが普通と思っていました。
しかし、良く考えれば相当ハードでお手当もそれに見合っていないとくれば変えるべきなのは間違いありません。
※お手当が十分だったとしても、上の例は週休0日ですしそもそも、という話もある。

ただ、「部活動」「軟式野球」というおかげもあって、金銭的な負担は少なく、母親の当番などの負担もそこまで大きくなかったと記憶しています。
我が家は父が単身赴任でしたし、母が全てを取り仕切ってくれていたので、よりありがたみがあります。

中学に進むとき、硬式もよぎりましたが、当時まだ身体も大きくなく、また地元の中学がそれだけしっかり野球を教えてくれる環境だったこともあり、部活動を選んだのでした。
※そういう選択をした当時の子どもや親は一定数いたのでは。

少年野球を指導して感じる部活動の課題


話を2024年まで進めます。
少年野球の監督として、中学高校でも野球をして伸びていく子を育てたい、と思い子どもに接している中で、中学の環境の変化に驚きました。

部活動は週に1.2回、土日はどちらか半日で試合をするのみ。
なるほど、部活動としては正しいとも思います。あくまで授業以外の活動の一環であるし。
ただ、中学生は身体も大きく伸びて、出来ることが増えるタイミングでもあるし、昔までとはいかなくとも、もう少し時間を使って身体の動かし方を教えた方が良いのかなと。
一方で硬式野球に目を向けると、こちらは良くも悪くも古い価値観もあり、親御さんの協力もバッチリ必要で、用具は昔よりも高価になっている。良くいわれるのが「硬式に来るなら覚悟が必要」と。
実情はそうでしょうが、中学になる子のスポーツに「覚悟が求められるのか」と思うわけです。

つまり、今の中学野球事情は、
部活でゆったり
覚悟をもって硬式
の二択が圧倒的パワーを持っているのだなあと。

私のいた中学はこの中間に位置していて、野球も上手くなったし、友だちと遊びに行くことも出来て、
時々がっつり叱られて、でも試合に勝って抱き合って喜んで。
「ちょうどよかった」のになぁ。
と思うのです。

地域移行なかなか進まないのでは

部活動も今のままがよい、とは思われていないので、「地域移行」が叫ばれていますが、うちの地区では進んでいません。
理由はシンプルで
「教員がボランティアでやっていた」ことなので、
「ボランティア(相当)でやってくれる人」を探すからです。

地域移行の受け皿になりたい、と私も思っていますが、
さすがに平日に仕事をなげうって(または辞めて)、ボランティア1本では生きていけないので、難しい。
せめて、最低賃金は出してくれて、野球塾を併設するための一部(ほんと一部でもよい)の資金補助があって、とか…。
あるいは午前中は市の職員として…とか…。

私の目の前には「野球」に打ち込む人たちがいて、そう感じますが、サッカーやバスケなど他のスポーツ、あるいは吹奏楽などの文化系の活動、これらはどうなのでしょう。

いずれにせよ、現状で振り回されているのは子どもたち。
未来ある子どもへの投資を
「教員の負担」で乗りきってきたこれまでのツケを
「地域のボランティアの負担」に変えるのではなく、
「公的なサポート」で払っていく仕組みを考えないといかんと思うのです。

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