詩「松屋のカレーがおいしかった」

駐車場でいくつかの用事を済ます

松屋の券売機はとても分かりづらい券売機で待機時間が多い
最初の画面に戻ってしまう「戻る」ボタンが
目線の少し上ぐらいにあるので
つい押してしまいそうだなと思っている
Dポイントカードのバーコード読み込みの感度も悪く
大抵二、三回読み込み直す必要がある
また、現在のポイント残高が表示される前にポイントを使うかが聞かれるので
いつもポイントを使うのをためらってしまう
お会計金額を投入金額が超えたらすぐに会計が進んでしまう仕様
千円札の次に入れようとした小銭を持つ悲しさ
足りないものを求めようとする

それからチキンカレー、サラダを注文する

チキンカレーには
1立方センチメートル大に刻まれた鶏肉が
おそらく5個か6個くらい入っていた
(内容をあまり覚えていないのは
ただ食べるために食べているから
食べるために)
スプーンでカレーと肉と米を持ち上げて口に放り込む
口の中に塩辛いカレーと素朴な鶏肉の味が広がるので私は安心する
水を飲み塩辛さを洗い流して
「健康のため」という名前のサラダを食べる
(私は停止から逃れようとしている)
効果は十分
足りないものを求めようとする

おわりに塩辛い味噌汁を飲む
味噌汁は私の血
だとしたら
鶏肉は私の肉、これは下手な比喩


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