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何かを得るためには何かを失う必要がある「世界から猫が消えたなら」

「世界から猫が消えたなら」読了感想


世界から猫がきえたなら:読書記録

これは僕の遺書であるという言葉から始まるこの小説。

まだ働き盛りの30歳という主人公の男性が
突然命の期限を宣告される。

脳腫瘍で余命はあとわずか
現実とは思えないような宣告をされた主人公が
自宅に帰ると、自分と同じ姿をした男がいた。

その男は自分のことを悪魔といい
主人公に、ある取引を求めてくる。

その取引とは
何かこの世から消せばあなたの寿命が1日延びるというものでした。

何かの存在を消せば
もう少し生きられると思い
何を消そうか考え、あるものを消すことを決断します。

その結果本当に自分の寿命が1日延びる。

そして悪魔は次は何を消そうかと
主人公に迫ってきます。

しかし、主人公は、何を消すかを迷い始め
本当にそれが消えてなくなってもいいのかと考え始めます。

普段は大したことのない存在だと思っていたものが
本当にこの世からなくなってしまう。

失ったときにその存在の大切さに気付くことになる。

その存在の意味を・・・

初めから何もない
しかし、そうではなくそこに存在した。
その存在の意味というもの
存在している時にはその存在の意味や大きさを知ることはできない。

失ったときにその大きさや存在の意味を知ることになる
しかし、思うその存在に大きさであったり
意味が必要なのか
その存在ということ自体が大切なことで
大きさの問題ではない。

そこに存在した
それがどんなに小さくても
それはすごく大切なことだと感じました。

その儚さ繊細さを感じたときに
今の自分自身の存在を感じて生きていこうと思わせてくれた作品です。

感動の名作だと感じました。

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