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何故、娘は死んだのか!娘を奪ったアイツを絶対に許さない!【罪の余白】

何故娘は死んだのか!
娘が残した日記に父親が動き出す!

罪の余白_読書記録_blog

【本の基本情報】
〇ジャンル:小説・サスペンス
〇本の種類:文庫本
〇著者名:芦沢 央
〇出版社:角川文庫

■「罪の余白」を読んで

本書は、芦沢央さんがデビューした作品です。
本作品で第3回野生時代フロンティ文学賞を受賞しています。

本作は、学校で起こる学生の間の「いじめ」が背景となっておきた、1人女子学生の「死」から始まります。

女子学生は母親を病気で亡くしており、父親と二人で暮らしていました。
仲のいい普通の親子、この親子の生活にとても悲しいことが起きます。

その女子学生は学校で事故により亡くなります。
突然の娘の「死」により、悲しみのどん底に落ちていく父親、そんな父親は、娘が残した日記を見つけます。

その日記の娘が残した言葉に、娘に対するいじめがあったのではないかという疑問を持ち始めます。
そこから、父親は娘が「死」という結果に至った本当の原因を追究していきます。

■学校の中、友達との間、何が真実なのか!

本作品の背景には、学校で起こる「いじめ」があります。

学校という空間、外にいる親は子供に何が起こっているのか、何も見えないとい状態。
更に、友達同士の関係。
その関係も、本人同士にしか分からない微妙な関係がある場合があります。

一時的な揉め事はある。
しかし、その揉め事が子供同士では解決できないような事態を引き起こすことがあります。

本作品では、そんな学校という場所で起きた女子生徒の死亡事故。
校舎から転落、自殺という判断がなされたが、果たしてそれは本当に自殺なのか。

友達同士の会話の中でのいじめ。
誰もその事実を証明することが出来ない。

本作では、このいじめという事実を父親の執念で暴いていきます。

■「罪の余白」を読んで!まとめ

本書を読んで、胸が苦しくなる思いでした。
小説の中の話だと、簡単に思いを変換することが出来ませんでした。

学校の中で起きているいじめから、一人の生徒が死を選択する。
これは、現実でも起きていることです。

子供を亡くした親の悔しさ、そして何よりも死を選んだ本人の悔しさ。

狡猾なやり方でターゲットをいじめて死へと向かわせる。
いじめる側の学生もとてもリアルに描かれていて、ノンフィクションなのかと思う場面もありました。

とにかく友人や周りの大人たちでさえも騙していくいじめる側の学生が、恐ろしく感じます。

そんな学生を父親は執念で追いつめていきます。
周りから見たら異常とも思われるやり方で、追い詰めていきます。

そんな学生を追い詰めるために父親がとった執念の行動とは!

いじめという問題と、狡猾な方法で周りの人間たちを騙す、いじめる側の学生にイライラする場面も多いですが
最後まで一気に読み込んでいく作品でした。



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