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詩 / 浜辺(マーク2)

望み遥けき初夏の浜辺に

わたしは一つの思想を思い出そうとしていた

この詩の主人公は人類です

わたしは人類の最新版のひとりです。


土地訛り、トチナマリ、わたしはけったいな言葉で話し出そうとしている

あほらしいこと言わんでええねん、ウツクシイことばっか喋ってようや

言葉商いしとりますさかい、掬い出さなあかん、人生を


運命を。ウチは祭りが好きや、祭りだけを信じとります

よいどれ船の行く先はどこや!? どっこいどっこいゆらりゆれて

オーダー違いの酒ばっか飲んで、愉快ゆかいな旅路でっせえ!


   望み遥けき初夏の浜辺に

   よいどれ船の行く末ひとつ

   森を殺して海を殺して

   酩酊の たからぶねひとつ

   

この詩の主人公は人類です

わたしは人類の最新版のひとりとして浜辺に立っています

うちの腹んなかに太陽が落ちてくる

おまえの唇の柔さを見ると

うちの花籠のなかに月が落ちてくる

おまえの手の広さをみると

あゝ 美しいものは全部滅びていきます

人類史はどこで打ち切りになるでしょう

あなたとわたし、浜辺にひとつ

うちとおまえ、浜辺にひとつ

真に美しいものは俗っぽい俗っぽい姿を死とるんでっせ?


土地訛り、トチナマリ、わたしはいっぱいのワインを飲み干す

血、血、血、生命とは祝福されたものです

少なくとも海とタメ張れるくらいにはええもんです

快感が突き抜けたら、生存のアイズや

ラヴ・アンド・クリティシズム、遊びまくろうぜ!


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