最近の読書感想

最近なんとなく芥川賞受賞作たちを読んでいる。
芥川賞作品はぜったいに都合のよいハッピーエンドが訪れないところと、人間の営みが立ち行かなくなり崩壊していくところがとても好きだ。

といっても、なにも人が転がっていくのがおもしれー!と言いたいわけではない。そういうジェットコースター的な楽しみが全くないわけでもないが。
それよりも、自分のような「普通」になれない人間がなんとかやっている社会生活が崩れ落ちていく描写に
一種の自傷行為のような気持ちよさや救いを感じているのかもしれないと思う。

近年(近年?)の作品だと『コンビニ人間』が刺さった。
一言で言ってしまえば社不の人間の話だが、
「普通」じゃない側から見た「普通」の人間や社会の気持ち悪さのほうが強く胸に残っており、その言語化になんだか救われる思いすらした。
『ブラックボックス』も『推し、燃ゆ』も『破局』も、別にすべてに共感しているわけではないが他人事ではない。
生きづらさから目を背けない純文学にもうずっと救われている。


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