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結婚して子供が出来て幸せに酔っていた、2年後呼吸困難になるおっさんの話

何故救急車を呼ぶ事態になったのか

何故。
あの日あの時、運転中の呼吸困難という極めて危険な状態になってしまったのか。
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結婚

僕は27歳で7歳年上の奥さんと結婚した。
仕事で出会い、これ以上の結婚相手はいない!と確信して結婚した。
ちなみに、これは今でも、現在進行ING系で、揺ぎ無くそう思っている。
今の奥さんと結婚生活がうまくいかなかったら、それは奥さんが悪いのではなく、僕に結婚が向いていなかったということだ、と自信をもって言うことが出来る。
これ以上褒めると嘘っぽくなるのでこれくらいにしておこう。

とにかく、僕らは結婚し、幸せな新婚生活を送ることになった。
結婚した時、僕はホテルマン、奥さんはメーカーの購買部でそれぞれ正社員、フルタイムで働いていた。

奥さんは日本語含めると三か国語をビジネスレベルで操ることが出来るマルチリンガル。
今まで何度かジョブチェンジを経ているが、どこの職場でもすぐに馴染み、要領よく仕事をこなすことが出来る。
当然、家のことも要領よくシュッシュとこなす。
掃除、片付けの要領が良くなるためのレイアウトを家に合わせて考えてくれ、家事全般を完ぺきにこなす。
欠点は朝が弱いことと、血糖値が下がると信じられないくらい機嫌が悪くなること。

一方僕は新卒入社した会社で働き続けている。結婚を決めたときは部署異動すら経験したこともなかった。
人当たりは悪くないが、仕事を察することや、新しいことを習得することは苦手。
要領悪く、忘れっぽくミスが多い。
まぁどこの職場にも一人はいるシゴトデキナイ星人。そういう星の下に生まれたのだ。

何故そんな二人が結婚出来たのか、疑問だろうと思うが、案外結婚とはそんなものなのかもしれない。
凸凹がぴったりハマるような組み合わせのほうが楽しいものだ。
僕にとって奥さんは恋人であり、親友でもありながら家族であるような、毎日一緒にいるのが本当に楽しい人。
そんな人と楽しい結婚生活を送り、3年目に子供を授かった。
2年後に呼吸困難になることを微塵も想像していない、平和な日々だった。

転機

そんな平和で幸せな日々に転機が訪れる。

シゴトデキナイ星人は部署異動もせずに黙々と仕事をこなしていた。
熱心に、というわけではなかったが不真面目でもない。良くも悪くも普通にこなしていた。
しかし、僕の職場はジョブローテーションが比較的早い上に、ホテル業ということもあり、離職者も多く、ただ黙々と5年間働いているだけで、組織内では「一目置かれるベテランさん」にランクアップできたのだ。
これまであまり日の目を見なかった上に煽てられると弱い僕は、一目置かれることで割り振られるようになった仕事も文句も言わずにやっていく。
するとスキルが身に付いて、任される仕事も増えていく…という良い流れに入った。

そんなある日。
ホテルの支配人になるチャンスが巡ってきた。
出産予定の半年ほど前のことだ。
迷いは無かった。
会社の中でのキャリア選択肢は支配人になるとぐっと増える。
すぐに転職する予定もなかったが、マネジメント経験を積んでおくことは市場価値を高めることにもなる。
なにより、子供が産まれるにあたって年収がグンと上がることは間違いなくプラスだ。
大変かもしれない。でも、家族の為にも自分の為にも頑張ってみよう。
そのチャンスを掴むのに迷いはなかった。

不安

迷いはなかった。それに嘘はない。
でも、不安はあった。基本シゴトデキナイ星人の自分が支配人と初めての子育てを両立できるのか。
家族を大切にしながら、初めての管理職を全うできるのか。
やれるのか、おい。
いや、やるっきゃない。
できるかできないかより、やるかやらないか。

でも、今になって思う。
もう少しこの不安を、ちゃんと、考えておけば良かったのではないかと。
出たとこ勝負も悪くはないけど、子供が産まれるということは、そんな戦い方が通用しないということを、もし伝えられるなら、その時の僕に伝えたい。


どうせ伝えても何もしないんだろうけど。

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