知られざる傑作 バルザック
3人の画家がいて本物の絵とは何かについて語り合った短編小説です。最高に生き生きした女性を飽くなき探求心でもって遂に描いたと自負する金持ち老大家、その腕は確かと認めているので絵を見せて欲しい一流画家と才能ある駆け出し画家が登場します。「人間と風景の境界は重ね合わせで出来ているから単純な線で表現出来ない」「ある一定の顔の傾きから生じた影を絵は描いてる訳だが、仮に傾きが動いてもその影は自然なものに変わり得るか」みたいな事が書かれており、絵を観た事がない自分はヘェ~と思いました。後者は素人でもなんとなく分かる。でも前者については知ったかぶりをしないのであれば良く分からない。前者の考えを突き詰めた為だからかははっきり分かりませんが、老大家は本物より本物の彼女と称して、何色もの色を何層にも重ねただけに“見える”物を勿体つけて紹介します。
突き詰めた本物は理解されないという話なんだろうと思いました。人は自分と同レベルのものを評価するのであって天才は天才を、凡人は凡人を見出すという事でしょう。
老大家の突き詰めた先を理解出来なくても、その途中経過は一流画家も充分認めるところなのだから、そこまで真似出来れば良しとすべきではないでしょうか?真似と言ったら語弊かありますが、僕のこの日記も究極的には真似だし、世の中もっと真似に溢れていると自覚すべきでしょう。全く真似てないものは、天才由来ではなく、突飛な妄想や幻覚若しくは誰もが歯牙にも掛けなかったガラクタかもしれませんよ?だから僕はとりあえず真似てみます。そこに僕の直感を多少加える事が出来ればとりあえず良しとする積りです。
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