出雲順大エントリーから見えてくるもの

第34回出雲全日本大学選抜駅伝競走 
順大エントリー

三浦龍司(4年)
石井一希(4年)
浅井皓貴(3年)
海老澤憲伸(3年)
村尾雄己(2年)
森本喜道(2年) 
荒牧琢登(1年)
後田築(1年) 
大野聖登(1年)
吉岡大翔(1年)

以上のエントリーを見て、今後の三大駅伝、出雲、全日本、箱根駅伝の結果が意外と期待できるかもしれないと思った。期待出来ると言ったってぎりぎりシードを確保出来るかなといった程度ではあるのだが。
今の順大で一番戦力が厚いのは3年だと思っている。順大は今年こそスカウトに成功して、5千㍍高校記録保持者の吉岡やインターハイ1500㍍、800㍍2冠の大野等、その他有力1年を獲得出来たのであるが、昨年や2年前、つまり現大2, 3年世代において“大砲”と呼ばれるような高校生を獲得出来なかった。しかし、2年前は、それでも都大路(高校駅伝全国大会)で一区を走るような、つまり、駅伝常連校ではあるけど地方の二流高校であって、未だ伸びしろを有するしごかれ過ぎていない、センス自慢のエース級人材を複数獲得する事が出来た。彼等のような人材は、大学でもっと走り込みさえすればグッと伸びてくる可能性があるのだそうだ。それの典型が浅井や海老澤である。ここには名前は挙がっていないが、油谷、岩島、服部等も控えている。
僕は上記3人も名前を連ねるかもしれないと思っていた。特に服部は本職が3千㍍障害であるところ、関カレ5千㍍に選ばれ10位で走っているので、出雲駅伝のような短い駅伝にはそこそこ力を発揮してくる可能性が高い。ただ選ばれなかった。というか恐らく意図的に選ばなかったのだろうと思っている。インスタに元気な顔が写っているので怪我はしていないと思う。2年前、順大は平、野村、四釜らに力があったので3大駅伝全てにおいて起用した。しかし、彼等は普段の力を箱根駅伝で発揮出来なかった。スピード自慢の平は、駅伝にピークを合わせ過ぎた事によって走り込み不足が生まれスタミナが足りず1区で撃沈した。野村は、一年通して不安定な年であったがエースだった為に起用され続け、調子が上がらないので2区から9区へスライド登板したが結局撃沈した。箱根一本に合わせる事が可能ならまた違った結果になったろう。四釜は、一番タフでスタミナもあった。初戦の出雲駅伝からフルスロットルで、箱根5区に適性が高く新記録も狙えるぞと言われていたが、結果区間5位だった。調子がピークアウトしてしまったのだ。彼も箱根一本だったらもっとやれたろう。
順大は駅伝専門校ではないので、トラック競技にも本気を出す。よって、レギュラー陣は殆ど一年通じて小さなピークを各大会に合わせているのだから、どんなに頑張っても爆発力が生まれないのは無理もない。
次年は、平は試合に全然顔を出さなかったし、四釜は比較的低調な状態から駅伝シーズンに入ったので二人とも箱根は良かったし、野村は前年の失敗を生かしてなんとか纏めた。
要は、準レギュラー陣にはある程度分業させようという意図をエントリーから感じた。準レギュラーを入れ代えながら、常にチーム全体の絶好調を維持しようと努める。短い駅伝にはスピード自慢の1年を起用して、長い駅伝には充分走り込んだ3年が出て来るのだろう。
駒澤、中央、青山にはそれでも全然敵わないだろうが、シードには滑り込みたいとする戦略を垣間見た気がする。

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